交通事故が起きた際には、被害者は治療費や慰謝料などの損害賠償を事故相手に請求できます。しかし、自分にも過失がある場合、受け取れる金額が減ってしまいます。

過失割合では特に自車や相手車の速度が争点となりますが、ドライブレコーダーの映像を使えば、より有利に交渉を進められるかもしれません。

そこで今回は、ドライブレコーダーから車の速度が計算できるのか?について解説します。

事故の瞬間、車の速度を確認する方法

過失割合を決めるにあたって、特に重要なのは車の速度です。事故発生時のスピードを確認する方法は主に3種類あります。

  • 当事者から話を聞く
  • 物理法則から割り出す
  • ドラレコ映像から割り出す

それぞれ簡単に説明します。

当事者から話を聞く

車の速度を調べるにあたって、当事者(ドライバー)の話はひとつの手がかりになります。しかし人間の記憶は曖昧で、無意識のうちに、または意図的に事実が歪められることがあります。

特に加害者は、自分の過失を減らすために速度を低く言うケースも少なくありません。そのため供述は参考程度とし、他の方法から速度を割り出すのが一般的です。

物理法則から割り出す

ブレーキ痕の長さや車両の損傷の程度から、物理法則を用いて速度を計算する方法です。

例えば、自動車が急ブレーキをかけた際にタイヤがロックされると、路面にはスリップ痕が残ります。このスリップ痕の長さをもとに事故時の車の速度を算出できます。また、車体の変形(破損)状況からは、エネルギー保存の法則を用いて衝突時の速度を割り出すことも可能です。

物理法則から速度を計算する方法は客観的なデータに基づいており、人の供述に比べて信頼性が高い点がメリットです。

ドラレコ映像から割り出す

最近ではドライブレコーダーを搭載した車が多く、速度を割り出すツールとして活用されています。

ドラレコの映像は一見すると動画のようですが、実は高速で連続再生される静止画、つまり「フレーム」で構成されています。通常、フレームは1秒間に数十枚あります。このフレームを分析して、車が移動した距離やかかった時間などを計測することで、車の速度を割り出します。

特に「提示された過失割合に納得できない」「相手方の速度計測結果が違うと思う」と困っているときには、ドライブレコーダーの映像を専門業者に見てもらいましょう。

正しい速度を計算するためにドラレコ解析業者に依頼しよう

ドライブレコーダーの映像は事故の原因解明や過失割合の判断に役立つものの、映像の内容によって十分に活用されないケースもあります。

そのため、警察や保険会社に提出する前に、専門的な知識と技術を持った解析業者に依頼することをおすすめします。ここからはドラレコ映像解析業者が具体的に何をするのか説明します。

不鮮明な映像からも解析できる

近年のドライブレコーダーは高画質ですが、時には暗い環境や天候の影響で画質が粗くなったり、対象が小さくて見えにくい映像が残されることもあります。

こういった映像では「信号の色がはっきりしない」「相手車のナンバープレートが識別できない」などの問題が発生します。警察や保険会社に映像を提出しても「よく分からないから」として十分に活用されず、自分に不利になってしまうことも…。

ドラレコ解析業者は専用のソフトウェアやツールを使用して映像を詳しく解析し、事故の状況をより正確に把握できます。「ドラレコ映像はあるものの、きちんと映っていない…」と言った場合でもあきらめず、ぜひ専門業者に相談してみてください。

自分の車の速度が分かる

自車のスピードを確認したい場合は、ドライブレコーダーに搭載されている「G(加速度)センサー記録機能」が役立ちます。衝撃や急ブレーキ・急ハンドルなどを感知した際、映像(数十秒前から数十秒後まで)や、時刻・位置などを自動的に保存する機能です。

一般的には「イベント録画」「イベント記録」と呼ばれています。常時録画フォルダとは別に記録されるため、映像が上書きされる(消えてしまう)リスクが少ないのが特徴です。

専門業者は保存された映像を解析してくれるため、事故が起きた際の具体的な状況を正確に把握できるのです。

相手の加速・減速が分かる

専門業者なら、ドライブレコーダーの映像から移動距離と時間を計算し、相手の車がいつ・どこで加速や減速を始めたのかも特定可能です。例えば「理由のない急ブレーキ」など事故に至る動作も明確になります。

結果的に「どのような状況で事故が発生したのか」「回避行動が可能だったかどうか」などが分かり、事故の責任を明らかにします。

まとめ

ドライブレコーダーの映像は人の記憶よりもずっと信頼性の高い情報を提供してくれます。映像は事実をそのまま捉え、事故の原因解明や過失割合の決定において重要な役割を果たすでしょう。

もし映像が不鮮明であっても心配はいりません。専門業者に解析を依頼すれば、自車や相手車の速度を正確に割り出してくれます。

東海DCでは、ドラレコ映像解析だけでなく、事故状況図の作成も行っております。徹底した現場調査と詳細な聞き取り調査をもとに、分かりやすく正確な事故状況図を提供します。自分に有利な解決を目指すために、ぜひ一度ご相談ください。