事故の瞬間を記録してくれているはずのドライブレコーダー。しかし、映像を確認しようとすると、「フォーマットする必要があります」といったメッセージが表示されることがあります。

よく分からないまま指示に従ってフォーマットしてしまうと、大切な映像が消えてしまいます。

この記事では、SDカードやmicroSDカードのフォーマットが要求された際の対処法について解説します。事故の映像を失わないために、ぜひ最後まで読んでください。

SDカードの「フォーマット」とは

ドラレコやパソコンにSDカードを差し込んだ時「フォーマットする必要があります」「フォーマットされていません」と表示されて、とまどってしまう方も多いでしょう。まずは、フォーマットの定義を確認しましょう。

フォーマットとは、通常「型」や「形式」を意味しますが、SDカードの場合は「データの初期化」を指します。フォーマットを行うことでSDカード内のすべてのデータが削除され、新しいデータを書き込む準備が整うのです。

SDカードのフォーマットを求められる原因

SDカードをフォーマットが要求されるケースは主に4つです。

  • 容量が一杯になった
  • SDカードが新品
  • 長期間使った
  • 故障している

ひとつずつ見ていきましょう。

容量が一杯になった

ドラレコで撮影した動画データはSDカードに記録されていきますが、SDカードの容量には上限があります。例えば容量が32GBなら、撮影できる時間の目安は4時間程度です。

事故の瞬間を含む長時間の録画や高画質の映像を保存していると、あっという間に容量が一杯になってしまいます。新しいデータを記録するスペースがなくなったため、再びデータを書き込むためにフォーマットが要求されるのです。

SDカードが新品

新しいSDカードをドラレコに挿入すると、すぐに使用できる場合もありますが、フォーマットが必要な場合もあります。

フォーマットを行うことでSDカードの中身が消去され、ドラレコで使用する準備が整います。もし購入したばかりのSDカードがエラーメッセージを表示した場合は、まずフォーマットを試してみるとよいでしょう。

長期間使った

ドラレコは日々の運転を記録し続けるため、SDカードには頻繁にデータが書き込まれます。特に容量が少なくて数時間ごとに映像データが上書きされると、SDカードには大きな負荷がかかります。

このような使い方を続けると、カード内部が少しずつ消耗していき、やがてエラーが発生します。

故障している

SDカードを無理に抜き差ししたり、接触面が曲がったりすると、物理的な損傷が原因でデータが破損してしまいます。特に大きな事故では、ドラレコにも強い衝撃が伝わるため、SDカードが故障してしまうこともあります。

SDカードが正常に動作しないために、エラーメッセージが表示されるのです。

SDカードをフォーマットする際の注意点

SDカードのフォーマットを要求されたとき、素直に従うと後悔するかもしれません。フォーマットはデータを初期化することですから、事故の映像を含むすべてのデータが消えてしまいます。

ここからは、SDカードをフォーマットする際の注意点を説明します。

データをコピーしておく

フォーマットを実行すると、SDカード内の全データが消去されます。そのため、事故の映像など重要なデータが含まれている場合は、データをコピー(バックアップ)しておくことが重要です。

バックアップの方法はいくつかありますが、パソコンを使った方法が一般的です。SDカードをパソコンのスロット(差し込み口)に挿入するか、カードリーダーを使ってパソコンに接続し、データを保存しましょう。

もしSDカードがパソコンに認識されるもののデータが読み込めない場合は、データが壊れているかもしれません。専門家に相談することを強くおすすめします。

フォーマットできない場合もある

SDカードをフォーマットしようとしても「SDカードをフォーマットできません」といったエラー画面が表示される場合もあります。この場合、SDカード自体が故障している可能性が高いです。

もしフォーマットができない場合は、SDカードの修理や交換を検討してください。事故の映像を警察や保険会社に提出したい場合は、ドラレコ映像解析サービスに依頼するのがおすすめです。

復元できる可能性はあるが、絶対ではない

「フォーマットしますか?」や「フォーマットする必要があります」とエラーメッセージが表示されたとき、そのままフォーマットを実行すると、データは全部消えてしまいます。あとで確認しようとして「あれ!?事故のデータがない!」と驚くかもしれません…。

しかし、フォーマットを実行した後でもデータを復元できる可能性はあります。まずはドラレコ専門の映像解析業者に相談してみてください。ただし、必ずしも復元できるわけではないことは理解しておくことも大切です。

まとめ

今回はドラレコSDカードのフォーマットが要求された際の対応について解説しました。

フォーマットはデータを初期化することで、新しいデータを書き込む準備を整える作業です。エラーメッセージが表示された際、すぐに実行したくなるかもしれませんが、事故の映像も消えてしまうので注意が必要です。

東海DCは、ドラレコ映像解析サービスを提供し、事故の真相を明らかにするお手伝いをしております。事故が録画されているデータの場合は、フォーマット前に一度ご相談ください。

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