交通事故に遭った際、ドラレコの映像を確認しようとしても、夜間撮影では以下のような問題に直面することがあります。
- 映像が真っ暗で何も見えない
- ナンバープレート部分が白くなっている
- 信号の色がはっきり映ってない
しかし、そんな時でも諦める必要はありません。
この記事では、夜に記録したドライブレコーダーの映像が見えにくくなる原因と、その対処法を分かりやすく解説します。
夜間撮影のドラレコ映像が見えにくい原因
夜に記録したドラレコ映像がはっきりしない原因は主に4つ考えられます。対処法はのちほど説明しますので、まずは理由を確認してみましょう。
解像度が低い
解像度が高いドラレコは多くの画素(ピクセル)で映像を描写するため、細かい部分までくっきりと映し出せます。しかし、ドラレコの解像度は機種によって異なり、特に後方カメラ(リアカメラ)は差が出やすく、安価なモデルでは画質が劣ることが多いです。
解像度が低いとナンバープレートの文字などがぼやけてしまい、大切な情報を見逃してしまう可能性が高まります。
白飛びしてしまった
夜間の撮影では、ヘッドライトやテールランプの強い光が原因で、白飛びや黒つぶれが発生することがあります。
白飛びとは、映像が明るくなりすぎて白くなってしまう状態で、ナンバープレートなど一部分が見えなくなってしまいます。
一部のドラレコには、自動で明るさを調整する機能が備わっているものもあります。極端に明るい部分を検知して露出を抑え、映像全体の明暗差を少なくすることで、夜間でも明確な映像を記録するのです。
画角が狭い
夜の時間帯に限らないのですが、ドラレコの画角が狭いと走行中に他の車両が映りにくくなります。例えば、前方だけを撮影するカメラでは、隣の車線を走る車両や交差点で横切る車両が映らず、事故相手を特定するのが難しくなります。
広角レンズを搭載したドラレコは、より広い範囲をカバーできます。「他の車両がどこにいるか」や「横切る車両のナンバープレート」なども把握できるため、事故の証拠として有効です。
ただし、広角レンズには左右が歪みやすいというデメリットがあります。映像の端に近づくほど歪みが大きくなるため、ナンバープレートなどが曲がって見えることがあります。
ノイズが発生した
昼間に撮影した映像が比較的クリアでも、夜間の映像はノイズが多くなりがちです。ノイズとは、映像にざらざらとした粒子状のものが混じる現象を指します。
特に、暗い場所での撮影では、カメラが光を多く取り込もうとするため、感度を上げること(高感度撮影)が必要になります。この結果、映像は明るくなりますが、同時にノイズも増えてしまいます。
ノイズが多く発生すると、映像がぼやけたりにじんだりするため、ナンバープレートの文字が不鮮明になります。
夜間映像が鮮明でない場合の対処方法
暗くなってから車を運転するなら、夜間撮影に強いドラレコを選びたいものです。しかし、事故に遭ってからそう言われてもどうしようもないですよね。
「ドラレコ映像を再生してみたら、暗くて何も見えない」「ナンバープレートは映っているのに判別できない」と気づいても、もう遅いのでしょうか?実は、諦める必要はありません。
ここからは、夜に撮影したドラレコ映像が不鮮明な場合の対処法を紹介します。
色調補正を行う
白飛びしてしまった映像でも、動画編集ソフトの色調補正を行うと改善できることがあります。色調補正とは、映像の明るさ・コントラスト・輝度・彩度などを調整し、映像の質を向上させる技術です。
例えば、映像が明るすぎる部分の明るさを下げたり、暗すぎる部分を明るくすることで、ナンバープレートや重要な情報がよりはっきりと映るようになります。
ただし、補正しすぎると画質が悪化し、より見えにくくなることがあります。初心者にとっては難しく感じると思いますので、動画編集の経験があまりない方は他の方法を検討した方がいいでしょう。
AI動画高画質化アプリを使う
最近では、AIが映像を高画質化してくれるアプリも登場しています。
例えばアプリなら自動的にノイズを取り除いてくれるため、映像がクリアになり、ナンバープレートなどの細かい部分も見やすくなります。ただし、AIによる補正は推測に基づいて行われるので、元の状態から映像が大きく変わる可能性があります。
裁判に提出しても、AIで補正した映像は改変されたものと見なされ、証拠として認められないかもしれません。そのため、AIで補正した映像はあくまで参考資料として利用し、原本の映像も必ず保管しておくようにしましょう。
映像解析を依頼する
ドラレコ映像を警察や保険会社に提出したいなら、専門業者に映像解析を依頼することをおすすめします。業者は高度な技術と専門知識を駆使してドラレコ映像を詳しく分析し、交通事故の状況を報告書としてまとめてくれます。
例えば、ぼやけたナンバープレートもノイズ除去や色補正を行い、判別できる状態にできる可能性があります。事故の解決に向けた重要な証拠として利用できるので、ぜひプロを頼ってください。
まとめ
今回は、夜間に撮影したドラレコ映像が乱れてしまった場合の原因と対処法を紹介しました。
ご自身で映像を補正する方法もありますが、調整はなかなか難しいと思いますので、専門業者に映像解析を依頼することをおすすめします。
東海DCでは、AIによる超解像はしていませんが、「暗くて見えない」「画質が粗くて判別しづらい」「ナンバープレートの数字が分からない」といった映像も解析してきた実績があります。元々の画質が荒く、現状で全く見えない状態の画像は、さすがに難しいですが、あ「あと少しでわかりそうなのに」という状況でお困りの方は、ぜひ一度ご相談ください。
重要なお知らせ:個人のお客様からの解析依頼について
平素より当社のサービスをご利用いただき、誠にありがとうございます。最近、ドライブレコーダーの上書きによるデータ消失の復元、車両ナンバープレートの解析、防犯カメラの解析に関する個人のお客様からのお問い合わせやご依頼が増加しております。このように多くの方々に当社サービスをお問い合わせいただけることに、心より感謝申し上げます。
しかしながら、サービスの円滑な運営を考慮し、今後は個人のお客様からの解析依頼につきましては、弁護士を通してのお問い合わせのみをお受けする方針とさせていただきます。直接のご依頼に関しては、対応ができかねますことをご了承ください。
弊社は動画解析に基づく証拠資料の作成が主なサービスであり、データ復元やナンバープレートの解読については副次的なサービスです。原則、それ単体でのご依頼は対応しておりませんので、ご留意くださいますようお願いいたします。
なお、これまで通り、行政機関、自治体、法人のお客様からのご依頼やお問い合わせにつきましては、受け付けております。これからも、サービス向上に努めてまいりますので、ご理解とご協力をお願い申し上げます。