私が調査員時代に特に感じたことですが、現場調査の大きな利点は、実際の交通状況を観察できることです。

現場に立って、そこを通行する車両・自転車・歩行者の動きをよく観察するだけで、本当に多くの情報を取り入れることができます。

そして、その現場特有の事情を発見できたとき、当事者が説明していた事故状況を明確に理解することができたりします。

例えば、たった一本の電柱の存在が、運転手に大きな心理的影響を与えている場合があります。

しかしこれは、航空地図やストリートビューを見ているだけではわかりません。

現場で観察していてあるポイントに気づいたら、今度は実際に自分で走行してみて検証してみます。

一回ではわからないので何回かやってみます。

そうしているうちに、その現場特有の事情が、事故原因につながる大きな要素であることに気づくことがあります。

私個人としては、この「観察」が、当事者の主張を正確に捉えるためにとても重要な作業だと思っています。