煽り運転を受けている最中はパニックに陥り、「何をしたらいいのか」と困ってしまう方も多いでしょう。

その瞬間はなんとか無事にやり過ごしたものの、後から振り返ってみると「やはり警察に伝えておくべきだった」と感じることもあるかもしれません。

この記事では、煽り運転への対処法や後日通報について解説します。

そもそも煽り運転とは

「煽り(あおり)運転」は、他の車両に対して意図的に嫌がらせや妨害をする危険な運転行為です。

重大な事故やトラブルの引き金になるとして、近年、ニュースなどでも多く取り上げられていますよね。

具体的には、以下のような煽り運転は妨害運転罪に該当します。

  • 反対車線にはみ出して進行を妨害する  
  • 急ブレーキを不必要にかけ、後続車に危険を及ぼす  
  • 車間距離を極端に詰めて、プレッシャーをかける  
  • むやみにパッシングやハイビームを繰り返す 
  • 幅寄せや蛇行運転を行う
  • 頻繁にクラクションを鳴らす
  • 高速道路でノロノロ走る(低速運転)

参考:「あおり運転」は犯罪です!一発で免許取消し! | 政府広報オンライン

こうした行為が認められると「3年以下の懲役または50万円以下の罰金」が科されます。特に危険な状況が生じた場合には「5年以下の懲役または100万円以下の罰金」が科されることもあります。

煽り運転されたら、どうすればいいか

ここでは、煽り運転に気づいた際にすべき行動を紹介します。

安全な場所へ避難する

重要なのは、安全な場所へ避難することです。車線上や路側帯で停車してしまうと、後続車に追突されるリスクがあり、重大な事故につながる恐れがあります。

駐車場など安全な場所にて停車してください。高速道路の場合は、サービスエリア(SA)やパーキングエリア(PA)に移動しましょう。

ドアをロックして通報する

煽り運転をしてきた相手が、さらに脅迫や挑発行為をしてくる場合もあります。直接対応すると、あなたや同乗者の身に危険が降りかかるかもしれません。

ドアをロックし、車内に留まって安全を確保してください。そのうえで、携帯電話などから速やかに110番に通報しましょう。警察に現在の位置や状況を正確に伝え、指示があるまでは車内で待機してください。

ドライブレコーダーで録画する

車にドライブレコーダーを設置している場合、相手の挙動を録画しておきます。具体的にどのような危険行為が行われたかを記録することで、警察に通報する際の重要な証拠となります。

たとえ相手がその場から逃げたとしても、映像が後の捜査に役立つでしょう。

ただし、天候や撮影角度によっては、はっきりと映っていない場合もあります。ドラレコの録画に加えて、スマートフォンに車のナンバープレートや車種、色をメモしておくと、警察がよりスムーズに対応できるでしょう。

煽り運転は後日通報でもいい?

煽り運転を受けた際、すぐに警察に通報することが理想的ですが、状況によっては後日になってから警察に相談したいと考える場合もあるでしょう。このような場合でも、証拠があれば警察は対応してくれるのでしょうか。

煽り運転を後日通報する際に知っておきたいポイントを解説します。

証拠が必要

後日通報する際には、煽り運転の証拠がほぼ必須です。ドライブレコーダーの映像があれば、相手の危険運転やナンバープレートの確認ができ、警察が捜査に取り掛かりやすくなります。

提出した映像は基本的に返却されないため、警察に渡す前にコピーを取っておくと安心です。

なお、映像が不鮮明でナンバーが確認できない場合や、状況がはっきり映っていない場合には、捜査に踏み切ってくれない可能性もあります。自分で映像を加工や鮮明化しようとすると、証拠としての信頼性が低下したり、映像が破損してしまったりといったトラブルが考えられます。

その際は、専門業者に依頼して、映像を鮮明化、また証拠化することを検討してください。

特定できない場合あり

煽り運転が確認された場合、懲役や罰金の処罰を科すために犯人特定が行われます。特に悪質と判断されると違反点数は35点となり、免許取り消し処分(欠格期間3年)が適用されます。

しかし、後日通報の場合、目撃者の確認や証拠の追加収集が必要となるため、犯人特定に時間がかかり、逮捕に至らないケースも少なくありません。そのため、できるだけ早急に通報することが大切です。

まとめ

煽り運転に遭った場合、冷静に対応するためには事前の知識と準備が欠かせません。

特にドライブレコーダーは重要な証拠となるため、日頃から映像が鮮明に記録されるよう調整しておくことが大切です。暗い場所での撮影や、画質が粗い映像では、犯人の特定が難しいからです。

また、煽り運転から実際に交通事故へ発展するケースも多いかと思います。

この場合、相手は自分は煽り運転などしていないと主張してくるかもしれません。そういった場合には、ドライブレコーダーの映像を元に、事故の原因が相手の煽り運転にあることを示すことが重要です。

もっとも、ただ、映像を見せるだけでは説得力がありません。そのような際は、映像解析サービスを活用しましょう。

東海DCではドライブレコーダー解析サービスを提供しております。映像から煽り運転の事実を特定して書面化し、事故発生原因との因果関係までしっかりレポートします。

※現在、個人の方からの直接のご依頼は受けておりません。弁護士を通してご相談いただきますようお願い申しあげます。※弁護士を通して依頼することを前提とした個人の方からのご相談につきましては可能な範囲でご対応いたします。