もう半年ほど前になりますが、東京ビッグサイトで開催された「第37回オートサービスショー2023」(6月15日~17日)のレポートです(お蔵入りになっていたのでこちらで公開いたします)。

この催しに訪れた目的は、ボッシュ株式会社(以下、ボッシュ)が発表する、EDRデータを活用して、正確な車両評価を可能にするという、日本発・世界初の画期的な技術サービス「Bosch Car History Report」、略して『BCHR』の取材です。

ボッシュの展示ブースに到着してさっそく、ゼネラル・マネージャーの里 廉太郎 氏(以下、里氏)と少しお話しすることができました。

里氏は、国内(に留まらずアジア圏)のEDRデータ活用の普及に尽力されているエキスパートであられますが、この『BCHR』を通して、EDRデータの存在が広く認知され、活用の場が増えていくことを強く期待しておられました。

その里氏曰く、「『BCHR』は車両のレントゲンのようなもの」とのこと。

いったいどんな内容の技術サービスなのか、ブースに集まってきた多くのギャラリーとデモンストレーションを待ちました。

氏による『BCHR』のデモンストレーションは、まずEDRの説明から始まり、次にそのEDRからデータを抜き出すCDRの説明へと続きました。※これらについては、弊社nitroのウェブサイトでも詳しく説明していますので、是非そちらを参照してください。

そしていよいよ『BCHR』についての説明です。『BCHR』はその名の通り、車両履歴の報告書です。履歴の内容は、対象車両の骨格に対するダメージの有無です。

対象車両が、過去に事故等によって骨格にダメージを受けていた場合、そのイベントがEDRに記録されます。仮に修理で修復されて表面的な判別ができなくとも、この『BCHR』があれば、過去にどのようなダメージが、どこに加わったかということを正確に把握することができるのです。

なるほど、確かに「車両のレントゲン」とは言い得て妙です。

ADASシステムを備えた車両が増加していく今、この「車両のレントゲン」は、中古車の金額的な車両評価のみならず、ドライバーの安全性を担保する上で非常に重要な要素となってきそうです。

現在は、試験的に日本自動車車体補修協会(JARWA) の協力のもと、オートオークション会場で導入が始まっているようですが、将来的には、事故車両の修理工場入庫時にも、正確な被害把握と事故態様の整合性判断のために活用されるようになるのではないでしょうか。他にも、自動車保険のモラルリスク、例えばアフロス事案に対しては、かなり大きな効果が見込まれると思われます。

最後に、この『BCHR』がどのように提供されるかについての説明がありました。

まずは、対象車両のEDRからデータを取り出す必要があります。この作業ができるのが、ボッシュが認定した「CDRアナリスト」と「CDRテクニシャン」です。

EDRから出力されたCDRレポートをボッシュに送ると、『BCHR』が発行されるようです。これにかかる具体的な費用についてはまだ未定とのことですが、普及が望める現実的な価格帯が期待されます。この革新的な技術サービスに今後も注目していきたいと思います。