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事故に遭った際、交通事故鑑定書があれば自分の立場をしっかりと主張できます。特に、ドライブレコーダーの映像を解析して、それをもとに鑑定書を作成するのがおすすめです。

そこで今回は、交通事故鑑定書とはどのようなものか、そしてドラレコの映像からどんな情報を得ることができるのかをわかりやすく解説します。

鑑定書とは

交通事故に遭った時、自分の記憶だけでは事故の全貌を理解するのは難しいですよね。加えて事故に関わった相手との主張が食い違ったりすると、なおさらです。

そんな時に強い味方になってくれるのが「交通事故鑑定書」です。「交通事故調査鑑定書」や「交通事故意見書」とも呼ばれています。

弊社の場合は「動画解析報告書」という名称で提出することもあります。

まずは鑑定書の基本情報を押さえましょう。

鑑定書は裁判にも使える

鑑定書は、事故の詳細を明らかにし、公正な判断を下すための大切な書類です。裁判所や警察、検察庁といった法的な場所で、証拠や意見書・反証資料としても提出可能です。

鑑定書の作成方法

鑑定書の作り方はいくつかありますが、最近ではドライブレコーダーの映像を利用した方法が主流です。

専門的な知識を持つスタッフが映像をじっくりと調べ上げ、現場検証やシミュレーションなどを通じて、事故当時の状況を結論づけます。その結果を元に、公正かつ正確な報告書を作成するのです。

ドラレコ映像解析から鑑定書に書ける情報

ドライブレコーダーの映像にはさまざまな情報が含まれています。信号の色や相手車のナンバープレートが確認できるのは想像できますが、実はそれだけではありません。

ドラレコ映像の解析を専門家に依頼すれば、より細かい情報を得られて、鑑定書に記載できるようになります。

ここからはドライブレコーダー映像解析で分かることを具体的に紹介します。

速度

ドライブレコーダーの映像から事故時の車の速度を知ることができます。この速度は、映像に映っている道路標識や建物などの目標物間の距離を測定し、その距離を車がどれくらいの時間で移動したかを計算することで求められます。

速度は、特に事故の原因が速度超過である場合に非常に重要です。例えば相手の車が法定速度を大幅に超えていたなら、裁判や示談交渉で鑑定書を提出してください。過失割合がぐっと有利になるはずです。

加速度

ドライブレコーダーには「加速度(G)センサー」という特別な機能がついています。加速度とは単位時間当たりの速度の変化率を測定します。

普通に車を運転しているときはほとんど反応しませんが、事故のような強い衝撃があったときに検知して、その情報を記録します。

事故の衝撃の強さや、車にどれくらいのダメージがあったかを詳しく知ることができます。

時刻

ドライブレコーダーを設置する時に日時を手動で設定した場合や、GPSを通じて自動的に正確な日時を受信している場合は、映像とともに時間の記録が残っています。

この日時機能(タイムスタンプ)を使うことで、事故が発生した正確な時刻や、事故に至るまでの経過時間を詳細に分析できます。

位置、距離

ドライブレコーダーの映像を使うと、事故が起きたときの車の位置や、他の車とどれくらいの距離にあったかを正確に知ることができます。

例えば、映像に映った信号機が車からどのくらいの距離にあるかを測定すると、車がどの車線にいたか、どのくらいの距離で前の車に追いついたかなどが分かります。これにより、車線はみ出しや追突事故がどのように起こったかなど、事故の具体的な状況を再現できるのです。

環境

ドライブレコーダーの映像は、事故が起きた場所の詳しい状況を教えてくれます。例えば、

  • 事故の場所(交差点で起きたのか?信号は赤だったのか緑だったのか?)
  • 天気(雨が降っていたか?晴れていたか?)
  • 交通の流れ(他の車がどのように動いていたか?)

などが映像から読み取れるため、事故の原因を探る手がかりになります。

もし映像がぼやけていても、専門家は特別な技術を用いて解析できるため、一度相談してみてください。

音声

多くのドライブレコーダーには音声録音機能がついており、事故が起きた前後の数十秒間、音や声を記録します。

  • ドライバーの発言、会話
  • 周囲の音(事故直前に何か特別な音がしたか)
  • クラクションの鳴り方
  • ブレーキ音

音声と映像を組み合わせると、事故の状況をより正しく把握できます。

まとめ

交通事故の瞬間は、事故に遭った人にとっても記憶があいまいになりがちです。しかし、ドライブレコーダーの映像と専門家の鑑定により、そのぼやけた記憶を補い、事故の真実を明らかにできます。

今回の記事では、交通事故鑑定書がどのようなものか、そしてドライブレコーダーの映像から何が分かるのかを紹介しました。鑑定書は、示談交渉や裁判で非常に有力な証拠となるため、事故に遭遇した際には専門家への依頼を検討してください。

東海DCでは、ドライブレコーダーの映像を専用のソフトウェアで分析し、車両の損傷写真や外観図・現場の正確な見取り図を参考にしながら、事実を詳細に解析します。この分析結果をもとに「事故状況図」などの具体的な証拠資料を作成し、解析手順や根拠を明確に示します。

示談交渉や裁判用の資料が必要な方、過失割合に納得がいかない方は、ぜひ一度ご相談ください。