防犯カメラの映像は、犯罪や事故の解決において重要な役割を果たします。しかし、決定的な瞬間が撮影されていなければ、警察が捜査を進めることは難しく、犯人特定に至らないこともあります。

せっかく店舗や駐車場に防犯カメラを設置していても、いざというときに役立たないのはもったいないですよね。

今回は防犯カメラの死角を減らすポイントを解説しますので、この機会にぜひ見直してみてください。

防犯カメラの死角があるとどうなる?

まずは、防犯カメラの死角がどのような影響を及ぼすのか具体的に見ていきましょう。

犯罪抑止効果が低い

防犯カメラが設置されていると、犯罪を企んでいる人は「この場所は監視されている」と感じ、諦める可能性が高まります。

しかし、カメラに死角があると「ここなら映らない」と判断し、犯罪に及ぶかもしれません。例えば、万引き犯がカメラの死角を利用して商品を盗むケースが考えられます。

決定的な瞬間が撮影できない

万引きや事故の決定的な瞬間をカメラが捉えていれば重要な証拠になり、トラブルの解決に役立ちます。しかし、死角を放置していると、いざという時に「何も映っていなかった…」という事態に陥ることがあります。

例えば、万引きの常習犯が死角に商品を持ち込み、カバンに入れた場合を考えてみてください。「この人が万引きしたはず」と思っても、映像に証拠が残っていなければ追及できないでしょう。

警察が証拠として扱ってくれない

防犯カメラに顔や車のナンバーが映っていれば、警察はそれを証拠として捜査に役立てます。

しかし、死角のせいで決定的な映像が残っていなければ、警察は証拠として扱うことができません。その結果、犯人が特定できず、犯罪が解決しない可能性が高まるのです。

防犯カメラの種類による死角

防犯カメラにはいくつかの種類があり、それぞれ撮影できる範囲や死角の大きさが異なります。ここでは、「ボックス型」「ドーム型」「PTZ型」の特徴を紹介します。

ボックス型カメラ

ボックス型カメラは、小売店や駐車場などで広く使われている一般的な防犯カメラです。

主なメリットは、比較的安価に購入でき、設置するだけで「防犯カメラがある」という視覚的な抑止効果が期待できる点です。

しかし、カメラが箱の中に収められている構造のため、真下や斜め下は撮影できません。ボックス型を使う際には、複数のカメラを設置して死角を補ったほうがよいでしょう。

ドーム型カメラ

ドーム型カメラはドーム状のカバー内でカメラが自由に動くため、通常のカメラよりも広い範囲を撮影できます。

特に「360度全方位カメラ(フィッシュアイカメラ)」は、1台で全方向を監視できるため、死角がほとんど生じません。

ただし、ボックス型カメラよりも高価であるため、設置コストがかさんでしまうのがデメリットです。

PTZ型カメラ

PTZ型カメラは、遠隔操作でレンズを左右上下に向けたり、ズームイン・ズームアウトしたりできるタイプのカメラです。特にリアルタイムで状況を確認したい場合に非常に便利です。

しかし、レンズを操作するということは特定の方向にレンズを動かしているので、死角が生まれてしまいます。一定範囲を常に監視したいという場合は、他のカメラと併用したほうがよいでしょう。

防犯カメラの死角を減らす方法

防犯カメラを設置する際、すべての死角をなくすことは難しいですが、工夫次第で最小限に抑えることが可能です。ここでは、防犯カメラを設置する際のポイントを紹介します。

設置台数を増やす

死角を減らす最もシンプルな方法は、カメラの台数を増やすことでしょう。

特にボックス型カメラ1台では撮影できる範囲が狭いため、複数台を設置してお互いの死角を補うようにします。

しかし、この方法は多くのカメラが必要となり、コストがかさむため、広い範囲を監視する場合には現実的ではないでしょう。

夜間の監視には赤外線カメラ

日中は問題なく撮影できても、夜間になると照明が足りず、防犯カメラに映らない部分が生じることがあります。特に、工事現場や倉庫などの盗難リスクが高まる場所では要注意です。

照明を増やすのが理想的ですが、設置場所によっては難しいケースもあるでしょう。そんなときに役立つのが赤外線カメラです。赤外線カメラは目に見えない赤外線を利用し、暗闇でも鮮明な映像を記録できるため、ぜひご検討ください。

ドーム型の防犯カメラを選ぶ

先述の通り、防犯カメラの種類によって死角が異なります。

ドーム型カメラは広い視野を持ち、死角がほとんどありません。ただし価格が高く、すべてをこのタイプにするのは予算的に厳しいでしょう。

費用を抑えつつ効果的に監視するために、重要なエリアにはドーム型を設置し、他のエリアにはボックス型を設置するといった工夫を考えてみてください。

まとめ

死角を意識せずにカメラを設置してしまうと、トラブルが発生した際に解決が遅れる可能性があります。この記事を参考に、肝心な瞬間を捉えられるようにしておきましょう。

東海DCでは、防犯カメラの映像を解析し、状況を明らかにしてきました。身長や体型・服装・歩幅などの特徴をまとめて、犯人特定をサポートしています。

防犯カメラの映像を最大限に活用したい方は、ぜひ一度ご相談ください。

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