事故に巻き込まれた時、自分にまったく過失がないにもかかわらず、適切な対応を取らなければ正当な示談金を受け取れないかもしれません。
そこで今回は、事故の過失割合が10対0になるケースと、特にドラレコを活用したい場面を紹介します。ドライブレコーダーの映像を保険会社や警察に提出して、自分に過失がないことを証明してください。
過失割合が10対0になるケース
被害者側に道路交通法の違反がまったくない場合(落ち度が認められない場合)は、基本的には過失割合が10対0となります。まずは具体的なケースを確認していきましょう。
追突事故
信号待ちで停止していたところ、後方から進行してきた車両に追突された場合、過失割合は基本的に10対0です。
こちらが停止している状態で事故を避けることは不可能ですし、追突してきた運転手の「前方不注意」や「車間距離の詰めすぎ」が主な原因となるためです。
信号無視による事故
信号無視は道路交通法に明確に違反しており、特に赤信号の無視は重大な違反と見なされます。
例えばあなたが交差点に差し掛かったとき、信号が青なのでそのまま進行していたところ、右側から突然車が飛び出してきたとします。この場合、あなたは信号を守っていたのに対して、相手の車は信号を無視しているため、相手側の過失が100%(10対0)となります。
センターオーバー
センターライン(中央線)を越えて対向車線に侵入した結果、発生した事故を「センターラインオーバー」と呼びます。このケースも過失割合は10対0となります。
もちろんセンターラインが表示されていなくても、仮想センターラインを明らかに越境してきた場合などはこれに該当します。
例えば、あなたが直進している最中に対向車が突然センターラインを越えて突っ込んできたとしたら…避ける間もなく事故に巻き込まれてしまいますよね。
こんな時はドライブレコーダーで無過失を証明しよう
自分にまったく過失がない、つまり過失割合が10対0となるはずのケースでも、加害者側が過失割合を交渉してくる可能性があります。そんな時こそ、ドライブレコーダーを活用しましょう。
ドラレコの映像は事故の原因を明確に示す強力な証拠となり、相手側の過失を証明して、自分の正当性を主張することができます。
ここからは、特にドラレコを使いたいシーンを紹介します。
加害者が被害者の主張を否定してきた場合
被害者が「相手が信号無視をした」と主張しても、加害者が「信号は青だった」などと自分の過失を認めないことがあります。証拠がなければ話が平行線になってしまうところですが、ドラレコの映像があれば信号の色や車両の動きを第三者にも確認してもらえます。
例えば、信号無視を否定された場合でも、ドラレコが赤信号を無視して進入してくる加害車両の姿を捉えていれば、その主張は簡単に覆すことができます。
加害者の保険会社が過失を主張してきた場合
過失割合が10対0のケースでも、加害者の保険会社が「被害者にも過失がある」と主張してくる場合があります。そんな時はドラレコの映像を活用して、自身には過失がないということを立証しましょう。
映像は客観的な証拠となり、保険会社との交渉を有利に進められます。特に事故の瞬間や直前の状況が記録されていれば、加害者側の主張を論破しやすくなりますよ。
交渉を長引かせてきた場合
加害者が交渉を無駄に長引かせてくるかもしれません。被害者側がしびれを切らして妥協することを狙っているのです。これを「ゴネ得」と言います。
そんな時もドラレコの映像を提出すればOKです。例えば、センターラインオーバーの事故で、ドラレコが加害車両がセンターラインを越えてきた瞬間を捉えていれば、相手がどれだけ「ゴネ」ても、明確な証拠として自分の無過失を主張できます。
注意!10対0だと交渉代行が使えない!?
自動車保険に加入している場合、通常は保険会社が示談交渉を代行してくれる「示談交渉代行サービス」を利用できます。しかし、過失割合が10対0の交通事故では、被害者側はこのサービスを利用できません。もう少しわかりやすく言うと、過失ゼロを主張をする場合、自身の保険会社は交渉窓口になってくれないということです。
被害者に過失が全くない場合、保険会社には保険金による負担が発生しないため、交通事故に関しては第三者(無関係)となるためです。
しかし、自分でやり取りしても、示談交渉の経験が豊富な担当者を相手に、納得のいく示談金を得ることは難しいでしょう。そのため、法律の専門家である弁護士に頼ることをおすすめします。弁護士に依頼すれば、相手方とのやり取りをすべて任せられますし、交渉を有利に進めてくれます。
自動車保険に弁護士費用特約が付いていれば、300万円まで保険会社が補償してくれます。これ、とても重要です。ですから弁護士費用特約は絶対に付けておいた方がいいです。
さらに、事故の原因を調査するためのドラレコ映像解析も、特約でまかなわれます。ほとんどのケースで自己負担なしで交渉を有利に進めることができるため、ぜひ弁護士特約を活用してください。
まとめ
今回は、交通事故の過失割合が10対0となるケースについて解説しました。
被害者側(自分)にまったく過失がない場合でも、相手が認めないこともあります。そんな時はドライブレコーダーの映像を保険会社や警察に提出してください。
もし映像が不鮮明であっても、弁護士を通じて専門業者に解析を依頼すると、あなたの主張を裏付けることができます。
東海DCではドラレコの映像解析に加え、映像内容を正確に反映した「事故状況図」の作成サービスも提供しています。事故の詳細をより明確に示せますので、お困りの方はぜひ一度ご相談ください。