【ドラレコ】事故の瞬間が撮れていない!?考えられる原因と対策方法

交通事故に遭ったとき、数十秒間の映像を残してくれるドライブレコーダー。真実をそのまま記録してくれるため、警察や保険会社に提出することで過失割合が有利になる可能性が高いです。

しかし、いざ映像を確かめようとすると「事故の瞬間が撮れていない!」「再生できない!」といったトラブルが発生することもあります。

この記事では、ドラレコで事故映像が記録されていなかった原因や対処法について解説していきます。

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阿部友保 (あべともやす)

2002 〜 2017 年、交通事故専門の調査会社で10,000件以上に関わる。調査マニュアルの作成や調査員の育成に加え、事故解析や証拠資料作成など、交通事故訴訟に関わる業務を担当。
2017年より独立開業し、2022年に株式会社東海DCを設立。交通事故鑑定・ドライブレコーダー・防犯カメラの動画・画像解析のプロフェッショナルとして活動中。

ドラレコ「映像が残っていない」トラブル増加中

ドライブレコーダーは事故やトラブルの際に真相を解明するのに役立ちますが、実は「撮れていなかった」というトラブルもよく発生しているようです。

国民生活センターによると、PIO-NET(全国消費生活情報ネットワークシステム)には、2013年度以降、ドラレコに関する相談が444件寄せられています。その中で「映像が残っていなかった」など記録に関する相談は88件で、年々増加しているようです。

いざという時のために車に設置していたのに、事故対応に使えないなんて本当にガッカリしますよね。

参考:ドライブレコーダーの映像を定期的に確認しましょう-SDカードの異常により映像が記録されていないことも-(発表情報)_国民生活センター

事故映像が記録されていない原因と対策

ドラレコに「事故の映像が撮れていない」トラブルがなぜ発生するのか、主な原因をまとめました。

  • ドラレコやカードが故障した
  • データが破損した
  • イベント録画が開始しなかった
  • データが上書きされてしまった
  • ドラレコ本体が高温
  • ゲストモードが「ON」になっていた

どう対処すればよいのかもあわせて解説していますので、参考にしてください。

ドラレコやカードが故障した

大きな事故や強い衝撃でドラレコやカードが破損すると、パソコンに挿入しても「SDカードが認識されない」「読み書きができない」といった症状が出ることがあります。

例えば、相手の車と衝突した衝撃でドラレコの部品が割れてしまったり、バッテリーや電源コードが断線したりした場合、正常に録画できません。このような物理的な破損を「物理障害」と呼びます。

物理窓外の場合、自力で対処しようとすると、異常がなかったデータまで破損する恐れがあります。

状態にもよりますが、専門業者に依頼すればデータを復元できる可能性が高いです。ドラレコ映像解析などの専門業者にできるだけ早く問い合わせることをおすすめします。

データが破損した

「フォーマットを要求される」「フォルダが見つからない」「ファイルが開けない」といった症状が出た場合、データ破損が原因かもしれません。いわゆる論理障害です。

論理障害は、SDカードのデータやシステムファイルが破損することによって生じます。特に、ドラレコ本体から無理やりSDカードを引き抜いた後にデータにアクセスできなくなった場合、論理障害を疑うべきです。

論理障害ではSDカードに物理的な破損がないため、データ復旧ソフトなどを使用してデータや破損箇所を復旧できることがあります。しかし、操作を加えた分だけ内容が上書きされたり、新たな障害が発生する可能性も考えられます。

自己流の対応は避け、専門の業者に相談・依頼したほうがよいでしょう。

イベント録画が開始しなかった

ドラレコには「常時録画」と「イベント録画」という2つの機能があります。

常時録画は、エンジンをオンにした時点からオフにするまで映像を記録し、30秒や1分ごとに映像フォルダを作成する仕組みです。一方、イベント録画は、Gセンサーが衝突や急ブレーキなどの衝撃を感知したときに自動で開始する録画機能です。

注意したいのは、Gセンサーがすべての衝撃を感知するわけではなく、小さな衝撃では録画が開始されないことがあるという点です。例えば、駐車場でのゆっくりとした接触や信号待ちでの軽い追突などでは、Gセンサーが反応しない可能性が考えられます。

イベント録画が開始されなかった場合、そもそも映像が記録されていないため、データを取り出すことは望めません。

ただ、常時録画のデータファイルには事故時の映像が残っているかもしれません。できるだけ早くドラレコからSDカードを取り出し、パソコンなどで全部のファイルを確認してみましょう。

データが上書きされてしまった

ドラレコのSDカードは、容量が限られているため、一定の容量に達すると古いデータを上書きします。

「常時録画」と「イベント録画」は別々のファイルに保存されるため、基本的にはイベント録画(事故の映像)が消えにくいように設計されています。しかし、それでも上書きされてしまう可能性はあります。

録画データを上書きしてしまうと、復元ソフトなどを使ってもデータを戻すのは難しいのが現状です。

しかし、ドラレコ復元に特化した業者なら、専門的な知識を活用して、削除されたデータを抽出することができる場合もあります。一度、ドラレコ解析業者に相談してみてください。

ドラレコ本体が高温

真夏の車内は想像以上に高温になります。多くのドライブレコーダーには高温保護機能が備わっていますが、限界を超えると自動的に作動を停止することがあります。

特に、炎天下で長時間駐車したあとは要注意です。まずは窓を開け、エアコン(冷房)をつけて車内温度を下げましょう。

また、「ドアバンバン」と呼ばれる方法も効果的です。助手席後ろの窓を開け、運転席のドアを5回ほど開閉するだけで、車内の熱気を一気に逃がせます。

車内およびドラレコ本体の温度が下がれば、操作や再生ができるようになる場合があります。

ゲストモードが「ON」になっていた

トヨタ「シエンタ」など、一部のドライブレコーダーには「ゲストモード」が搭載されています。

このモードをオンにすると、登録されていないドライバー(ゲストドライバー)が運転した際に常時録画が行われ、エンジンをオフにした時点でその録画データが自動的に削除されます。

なお、手動による録画の映像、イベント録画映像は残る仕様です。全ファイルを見直して、データが残っていないか確認してみましょう。

ドラレコに事故映像が残っていなくても復元可能?

事故では、映像があるかないかで過失の判断が大きく変わります。たとえば、信号のある交差点で直進車同士が衝突したケースを考えてみてください。

青信号で進入したA車には過失がない一方、赤信号を無視したB車には100%の過失が発生します。しかし、信号の変わり目で起きた事故では、A車にも一部の過失が認められる場合があります。

双方が「自分は青信号だった」と主張すれば、話し合いは平行線をたどりますが、ドラレコがあれば客観的な証拠として解決に近づきます。

ドラレコの映像データは、通常メモリカード(SDカード)に保存されます。誤ってファイルを削除してしまった場合などでも、カード内のデータを復元できる可能性があります。

復元ソフトを使用すれば手軽ですが、操作を誤るとデータが破損し、かえって復旧が難しくなるかもしれません。確実に映像を取り戻したい場合は、専門業者への相談を検討しましょう。

まとめ

今回は、ドライブレコーダーに事故の映像が残っていない原因と対処法について紹介しました。物理障害や論理障害などいくつかの理由が考えられますが、ドラレコ解析業者に依頼することで復元できる可能性があります。

事故が発生した場合は、速やかにドラレコからSDカードを取り出し、専門業者に相談してください。

東海DCでは、ドラレコ映像解析サービスを提供しています。事故の瞬間が確認できない場合でも、映像を解析して事故の真相を明らかにすることが可能です。

事故解決のための証拠として、または自分の過失割合を明らかにするために、ぜひ当サービスを活用してください。

重要なお知らせ:個人のお客様からの解析依頼について

平素より当社のサービスをご利用いただき、誠にありがとうございます。最近、ドライブレコーダーの上書きによるデータ消失の復元、車両ナンバープレートの解析、防犯カメラの解析に関する個人のお客様からのお問い合わせやご依頼が増加しております。このように多くの方々に当社サービスをお問い合わせいただけることに、心より感謝申し上げます。

しかしながら、サービスの円滑な運営を考慮し、今後は個人のお客様からの解析依頼につきましては、弁護士を通してのお問い合わせのみをお受けする方針とさせていただきます。直接のご依頼に関しては、対応ができかねますことをご了承ください。

弊社は動画解析に基づく証拠資料の作成が主なサービスであり、データ復元やナンバープレートの解読については副次的なサービスです。原則、それ単体でのご依頼は対応しておりませんので、ご留意くださいますようお願いいたします。

なお、これまで通り、行政機関、自治体、法人のお客様からのご依頼やお問い合わせにつきましては、受け付けております。これからも、サービス向上に努めてまいりますので、ご理解とご協力をお願い申し上げます。

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