「相手が信号無視をしたせいで交通事故が発生したのに、過失を認めない…」と困っていませんか?示談交渉が進まない中で、どのように対処すべきか悩む方も多いでしょう。

そこで今回は、信号無視による過失割合のパターンや、相手が過失を認めない場合の対処法について解説します。交渉や裁判を有利に進めるために、ぜひ最後まで読んでみてください。

信号無視による過失割合は10対0?

自動車同士の交通事故において、片方が赤信号を無視し、もう片方が信号を守っている場合、過失割合は10対0となるのが原則です。

しかし、車両の進行方向や他の状況によって過失割合が異なります。ここでは、信号の色に焦点を当てて代表的なパターンを説明します。

自分が青信号で直進、相手が赤信号

青信号で直進するあなたの車と、赤信号を無視して直進する車が衝突した場合、過失割合は相手が100%(0対10)になります。相手の信号無視が原因であり、あなたには過失がないと判断されるからです。

自分が黄信号で直進、相手が赤信号

黄信号の場合、基本的には停止しなければなりませんが、停止線に近接していて安全に停止できない場合は進行が許されます。

この状況であなたが直進し、相手が赤信号を無視して直進した場合、過失割合は20対80となるケースが多いです。

自分が黄信号で右折、相手が赤信号

あなたが黄信号で交差点に進入し、赤信号に変わってから右折したとします。赤信号を無視して直進してきた車と衝突した場合、過失割合は30対70です。

信号が変わったケースも信号無視として扱われるため、このような割合になります。

両方とも赤信号

自分も相手も赤信号を無視して衝突した場合、過失割合は50対50です。両方とも赤ですので、事故の責任も五分五分になってしまいます。

相手が信号無視したのに認めない場合の対処法

過失割合は、請求できる損害賠償額に大きく影響します。そのため相手が過失を認めなかったり、「被害者も信号無視をしていた」と主張してきたりすることもあります。

ここからは、示談交渉が難航した場合、どのように対処したらよいかを解説します。

弁護士に交渉を依頼する

相手が過失を認めない場合、早い段階で弁護士に依頼するのがおすすめです。

特に相手方の保険会社と交渉する際には、自分で対応してもなかなか納得のいく結果にはならないでしょう。事故対応に強い弁護士なら法律の知識や客観的な証拠をもとに、適切な過失割合を主張してくれます。

「弁護士への依頼費用が高そう」と不安に思うかもしれません。しかし自動車保険の契約に「弁護士費用特約」が含まれていれば、1回の事故につき最大300万円まで補償してくれます。

着手金・報酬金・相談費用などをカバーできるため、まずは保険会社に契約内容を確認してみてはいかがでしょうか。

警察が作成した実況見分調書を提出する

交通事故の状況を証明する有力な証拠として、警察や検察が作成した「刑事記録」があります。

  • 実況見分調書
  • 供述調書
  • 信号サイクル表

例えば、信号が青→黄→赤と一定の時間で変わる「信号サイクル(信号周期)」は、交差点ごとに交通量や歩行者の横断時間を考慮して設定されています。事故発生当時の信号周期を確認することで、相手の矛盾を指摘できます。

刑事記録は警察署や検察庁にて閲覧・謄写(コピー)できます。ご自身で手続きを行うことも可能ですが、面倒ですし、刑事手続きのタイミングによっては入手できない場合もあります。「刑事記録を活用したい」と考えているなら、まずは弁護士に依頼したほうがよいでしょう。

ドライブレコーダーの映像を提出する

ドライブレコーダーの映像は、信号の色を含む事故の詳細を第三者に示すことができます。自分の車にドラレコが搭載されている場合、ぜひ提出を検討してください。

自車にドラレコが設置されていなくても、相手方の車にドラレコが設置してある場合は映像を求めることができます。

もし映像が不鮮明であっても、専門業者に依頼すれば解析可能です。弁護士を通じて相談することで、解析にかかる費用が弁護士特約でカバーされるため、ほとんどの場合自己負担はありません。

注意したいのは、映像の内容によっては、自分に不利になる場合もあるという点です。保険会社や警察に映像を提出する前に、弁護士に確認してもらうことをおすすめします。

まとめ

今回は、相手が信号無視したにもかかわらず過失を認めない場合の対処法について解説しました。

自分ひとりで対応しようとせず、保険の特約を利用して弁護士の力を借りてください。加えて、実況見分調書やドラレコの映像を提出することで、過失割合を有利に進められるはずです。

東海DCでは、ドライブレコーダーの映像解析サービスを提供しています。「暗くて見えない」「画質が荒くて判別しにくい」といった問題があっても、専用ソフトウェアを用いて分析可能です。さらに、映像に基づいて事実を明らかにし、証拠資料として提出できる書面にまとめます。

示談をスムーズに進めたい方や、過失割合に納得がいかない方は、ぜひ一度ご相談ください。