防犯対策を考える際、企業にとって大きな課題は「不審者の動きを監視・撮影できるかどうか」です。特に、広い店舗や駐車場では死角が多く、一台のカメラだけではカバーしきれないことも。
そんな課題を解決するのが「自動追尾機能」を搭載した防犯カメラです。不審者を自動で追跡し、効率的な監視を実現してくれるため、導入する企業が増えています。
この記事では、自動追尾機能の仕組みやメリットやデメリットを分かりやすく解説していきます。
防犯カメラの「自動追尾」とは

防犯カメラの「自動追尾」機能とは、カメラが人物や物体を自動的に検知し、その対象を視界から外さずに追跡する機能です。従来の固定カメラでは見逃しがちだった一瞬の動きも逃さずに記録でき、より高い防犯効果が期待できるのです。
最近では人感センサーやAI技術が活用されており、不審者や侵入者を高精度で認識できるようになりました。
PTZカメラとの違い
PTZカメラとは、パン(左右回転)、チルト(上下回転)、ズーム(拡大縮小)といった動作が可能なカメラです。手動で監視エリアや対象物を設定し、カメラを自由に操作できる点が特徴です。
最新のPTZカメラの中には自動追尾機能を搭載しているモデルもあり、より効率的な監視が可能になっています。
自動追尾型カメラのメリット
ここからは自動追尾型カメラを導入するメリットを紹介します。
不審者を自動で撮影する
従来の防犯カメラは撮影範囲が固定されており、どうしても死角が発生してしまいます。複数のカメラを使えば死角を補えるものの、その分監視者に負担がかかります。
しかし自動追尾型カメラなら、不審者を検知すると自動でレンズがその動きに追従します。カメラの視界から外れることがないので、大事な瞬間を記録できるのです。
また、過去に万引きした人物の顔データを登録しておけば、来店時から自動で監視対象としてマークすることも可能です。
広い敷地でも効率的に撮影

多くの企業が大型の駐車場や工場、工事現場、資材置き場などに固定型カメラを設置しています。しかし、死角が残ったり、見逃しが発生したりといった悩みをよく聞きます。
その点、自動追尾機能を備えたカメラなら、1台でも広範囲をカバーできます。さらに、不審者を検知した際に管理者のスマートフォンへ通知するアラート機能が搭載されているモデルも存在します。
たとえば、侵入禁止エリアに人が入った場合にリアルタイムで知らせてくれるため、迅速に警察へ通報したり、現場スタッフへ指示を出すことができます。広い敷地内での監視も、より効率的かつ効果的に行えるでしょう。
コストを抑えられる

一般的な防犯カメラでは死角をなくすために複数のカメラを設置する必要があり、その分、初期費用が高額になりがちです。
しかし、自動追尾型カメラなら必要な場所に自動でフォーカスを合わせるため、設置台数を減らすことができます。特に、防犯対策に多額の費用をかけるのが難しい中小企業にとって、自動追尾型カメラはコストパフォーマンスの良い選択肢と言えるでしょう。
自動追尾型カメラのデメリット
自動追尾型カメラには多くのメリットがありますが、導入を検討する際はデメリットも理解しておきましょう。事前に把握し、適切な対策を講じることで、監視効果を最大限に引き出せるはずです。
複数人を同時に追えない
自動追尾カメラの弱点は、複数の侵入者がいた場合に対応しきれないことです。カメラは最初に検知した人物を追跡するため、他の侵入者を同時に撮影できないのです。
さらに、追尾中のカメラは特定の人物に集中するため、その間、他のエリアが監視から外れてしまいます。
複数の侵入者に備えたい場合は、自動追尾カメラと全方位カメラを併用するなどの対策を考えるとよいでしょう。
検知しないときもある
AI技術は急速に進化しており、現在の自動追尾カメラは高精度で怪しい人物を検知できます。しかし、それでも完璧ではありません。
特に、低価格なモデルでは検知精度が高くなく、不審者を見逃してしまうリスクがあります。また、夜間や薄暗い環境では、検知能力が低下することもあるため、使用する環境に応じた性能のカメラを選びましょう。
誤って検知する
自動追尾機能は非常に便利ですが、誤検知のリスクも忘れてはいけません。動体検知は映像の動きを検知するという仕組みのため、車のヘッドライトや、風で木が揺れる木の枝などにも反応してしまうことがあります。
特に人通りが多い場所では頻繁に反応してしまい、結果として不要な映像が記録され、肝心な瞬間を見逃すリスクが高まります。
誤検知を減らすためには、多少コストがかかりますが、高度なAIを搭載したモデルを選ぶようにしましょう。
まとめ
今回は、防犯カメラの自動追尾機能について、仕組みやメリット・デメリットを解説しました。
自動追尾カメラは、不審な動きを検知すると自動で対象を追跡します。重要な瞬間を逃さず記録してくれるため、問題が発生した場合もスピーディに解決できるでしょう。
東海DCでは、防犯カメラや監視カメラの映像を鮮明にし、人物や車両の動きを特定するサービスを、警察機関・弁護士・企業向けに提供しています(個人のお客様からの直接のご依頼には対応しておりません)。カメラの映像を証拠として活用したい場合は、ぜひ一度ご相談ください。