トラブルが起きた際、防犯カメラは「動かぬ証拠」として役立ちます。ただし、映像だけでは解決が難しいケースもありますよね。

たとえば、お客様と従業員の間で「言った・言わない」の食い違いが起きた場合、音声が記録されていなければ議論が平行線をたどることもあります。

この記事では、防犯カメラの音声録音について、メリットや種類、導入時の注意点をわかりやすく解説します。

防犯カメラは音声も録音できる!メリット

防犯カメラに音声録音機能が搭載されていると、映像に加えて音声も記録することが可能です。以下では、音声録音のメリットについてご紹介します。

第三者にも会話の内容が分かる

店舗のレジやサービスカウンターにマイクを設置すれば、従業員とお客様との会話を漏らさず記録できます。

例えば、クレームが発生した場合、映像だけでは具体的なやり取りの内容が分かりづらいものです。しかし、音声も記録されていれば、その場にいなかった責任者でも会話を正確に把握できます。

トラブルの解決に役立つだけでなく、再発防止策や接客態度の見直しにもつながります。

犯人の特定につながる

お店に覆面をかぶった強盗が侵入した場合、映像だけでは顔が判別できず、犯人特定が難しいことがあります。

しかし、音声も記録されていれば、話し方やイントネーション、さらには方言などの特徴から身元特定に繋がる可能性が広がります。

また、事故現場では関係者の会話が音声として残ることで、映像だけでは不明瞭だった事実関係を正確に把握できるようになります。

音声録音できる防犯カメラの種類

防犯カメラが音声録音に対応しているかどうかは機種によって異なりますが、大きく分けて3つのタイプがあります。それぞれの特徴を理解し、設置環境や目的に合った最適なカメラを選びましょう。

内蔵マイク付き防犯カメラ

カメラ本体にあらかじめマイクが組み込まれているタイプなら、設置後すぐに音声録音が可能です。追加でマイクを購入する必要がないため、手軽に導入できるのが大きな魅力です。

ただし、マイクの位置が固定されているため、音を拾える範囲が限られる点がデメリットです。声のトーンや感情的なニュアンスを把握するには十分かもしれませんが、詳細な内容まで聞き取るのは難しいでしょう。

外部マイク対応の防犯カメラ

別途購入したマイクを防犯カメラや監視カメラに接続して使用するタイプです。

このタイプなら、設置場所や環境に合わせて最適なマイクを自由に選べます。たとえば、騒音が多い場所ではノイズキャンセリング機能を持つマイクを、小声や微細な音を拾いたい場合には感度の高いマイクを使用することが可能です。

しかし、マイク本体の購入や配線工事が必要となるため、コストが高くなってしまうのがデメリットです。

ネットワークカメラ

近年主流となっているネットワークカメラは、ほとんどの場合、音声機能が搭載されています。録音機能だけでなく、通話のようにやり取りできる機能を持つものも増えてきました。

双方向コミュニケーションであれば、遠隔地から従業員に指示を出したり、不審者に警告を伝えるといった対応が可能です。店舗・現場に警備員を常駐させる必要がなくなるため、人件費の削減にもつながります。

防犯カメラで音声を録音する時の注意点

防犯カメラの音声録音機能は非常に便利ですが、導入時には注意すべきポイントがあります。事前に把握して、トラブルを未然に防ぎましょう。

プライバシーに配慮する

防犯カメラを設置する場所によっては、私生活に関する内容が録音される可能性があります。防犯対策を目的とした設置自体は法律上問題ありませんが、録音データの取り扱いには十分な注意が必要です。

例えば、氏名や住所、職業など個人を特定できる情報が含む映像・音声を、本人の許可なく公開するのはプライバシー侵害に該当します。

そのため、映像データや音声データを適切に管理することが求められます。アクセス権を運用担当者のみに限定したり、保存期間を設定して定期的に削除するなどの対策が有効です。

第三者がデータに簡単にアクセスできないよう、管理体制を整えましょう。

ノイズ対策を行う

音声データをトラブル解決に役立てるためには、ノイズ対策が非常に重要です。

屋外に防犯カメラを設置する場合、風や車の音などの雑音が入りやすく、必要な会話が聞き取りにくくなることがあります。また、室内でも空調やBGM用スピーカーの近くにカメラを設置すると、音声がクリアに録音できないかもしれません。

このような問題を解決するためには、外部マイクの活用がおすすめです。外部マイクを使用すれば設置場所を柔軟に調整できるため、ノイズの影響を最小限に抑えることが可能です。また、感度の高いマイクを選べば、小声や細かい音も拾えるようになります。

まとめ

防犯カメラは、機種によって映像だけでなく音声も録音できます。特に外部マイクを活用することで、小声や細かな音も記録することが可能です。

トラブルをスムーズに解決するために、音声録音機能を備えた防犯カメラの導入を検討してみてはいかがでしょうか。

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