ドライブレコーダーはSDカードへ保存するタイプが主流でしたが、近年はクラウド上に保存するタイプも販売されるようになりました。
気になっているものの、「どのような利点があるのかよく分からない」「クラウドは高額な費用がかかりそう」と悩む方も多いのではないでしょうか。
そこで今回は、クラウド保存型ドライブレコーダーの特長や、導入前に押さえておきたいポイントを紹介します。
クラウド保存型ドラレコのメリット
クラウド保存型ドライブレコーダーは、撮影した映像を自動的にインターネット上のサーバーに送信する機能を備えています。
物理メディアの管理や容量不足による記録消失の心配が少なく、遠隔からでも映像を確認できる利便性が魅力です。
ここからは、クラウド保存型のメリットをひとつずつ紹介していきます。
映像がクラウドに保存される
SDカード保存型では、容量が一杯になると古い映像から自動的に上書きされ、重要な記録が消えてしまうおそれがあります。
映像を残すためには定期的にカードを取り外してパソコンなどへコピーする必要があり、手間や時間がかかるのが特徴です。
一方、クラウド保存型は、撮影直後にデータが自動アップロードされます。特に、車両を複数台所有している家庭・企業は便利に感じるでしょう。
スマホでの確認が簡単

SDカード保存型では、映像を確認したい時にカードを取り出してパソコンに挿入する手間が発生します。
クラウド保存型であれば、スマートフォン(専用アプリ)やブラウザを通じて映像にアクセスでき、自宅や外出先を問わず閲覧可能です。
外出中に家族が運転中の車で接触事故が起きた場合でも、現場へ向かう前に映像を確認して状況を把握できます。
データ破損リスクが低い
SDカードは長期間の使用や高温、多湿、衝撃などによって劣化や破損が生じやすく、映像が再生できなくなる場合があります。
事故やトラブルが発生した場合、いざというときに証拠にならない可能性も考えられるのです。
一方、クラウド保存型では、撮影後すぐにオンライン上のサーバーへデータが送信されるため、物理的な破損や紛失によるリスクをほぼ排除できます。
安全運転をサポート

クラウド保存型ドライブレコーダーの中には、映像を記録するだけでなく、運転データを解析して安全運転を促す機能を搭載したモデルがあります。
急ブレーキや急ハンドル・車線逸脱といった危険な挙動を検知すると、リアルタイムで警告を発し、ドライバーの注意を喚起します。
異常を検知した際に管理者へ自動通知できる機種もあるので、配送業や社用車の管理に適しています。
事故時の連絡がスムーズ

クラウド保存型ドライブレコーダーの中には、大きな衝撃を感知すると自動的に登録先へ通報する機能を備えたタイプがあります。
家族や勤務先、保険会社などに位置情報や映像を即時共有でき、初動を迅速化できるのです。
例えば、高齢の家族が1人で運転している際に事故が起きた場合でも、遠隔地から状況を把握し、必要な支援を速やかに手配可能です。
クラウド保存型ドラレコのデメリット
クラウド保存型ドライブレコーダーは便利ですが、注意点も存在します。クラウド保存型を購入する前に確認しておきましょう。
ランニングコストがかかる
SDカード保存型は本体購入と交換用カード代のみで運用できますが、クラウド保存型は通信費やサービス利用料が毎月発生します。
1台あたり月額2,000〜5,000円が一般的です。例えば法人利用で10台の車両に導入すると、年間で数十万円規模のコストがかかってしまうでしょう。
通信環境が必要
クラウド保存型ドライブレコーダーは、撮影した映像をリアルタイムまたは短時間でサーバーへ送信するため、安定した通信環境が欠かせません。
LTEや4G、Wi-Fiが利用できない地域では、映像の送信が遅延・中断する可能性があります。
例えば、山間部や地下駐車場では電波が届きにくく、重要な映像が即時にアップロードされないかもしれません。対応エリアや回線品質を事前に確認することが不可欠です。
情報漏洩のリスク
クラウド保存は利便性が高い反面、システム障害やセキュリティ上の脆弱性を突かれることで情報が漏洩するリスクがあります。
ドラレコの映像や音声によっては、信用を損なう事態につながる可能性も否定できません。
そのため、契約前には利用規約や過去の運用実績を確認し、暗号化やアクセス制限などの安全対策が整っているかを見極めることが重要です。
まとめ
クラウド保存型ドライブレコーダーは、映像の自動保存や遠隔確認、データ破損リスクの低減など、多くの利点を持っています。
安全運転支援や事故時の迅速な連絡機能も搭載されており、ファミリーカーから業務車両まで幅広く活用可能です。
一方で、通信環境の確保やランニングコストといった課題もあります。導入前に、クラウド保存型とSDカード保存型のどちらがよいかを慎重に検討することをおすすめします。