ドラレコは360度のほうがいい?メリット・デメリットを解説

交通事故やあおり運転など、ドライブ中のトラブル対策として欠かせないドライブレコーダー。

前方・後方に取り付けるカメラが主流でしたが、近年は「360度カメラ型」も販売されています。広範囲を記録できるのが強みですが、その一方で画質やコスト面では注意が必要です。

今回は、360度ドラレコのメリットとデメリットを紹介しますので、自分に合っているか判断してみてください。

360度ドラレコのメリット

360度ドラレコは、従来の前後カメラ型では捉えにくかった状況を1台で記録できるのが特長です。まずはメリットを確認しましょう。

撮影範囲が広い

360度ドラレコなら、前方だけでなく側面や後方、さらには車内まで同時に映せます。

例えば、幅寄せによる接触事故や側面からの当て逃げ、後続車によるあおり運転も1台で記録可能です。駐車中であれば、隣の車のドアパンチや深夜の車上荒らしなども記録されやすく、防犯効果が期待できます。

取り付けが簡単

前後2カメラタイプのドラレコは、複雑な配線作業が必要で、取り付けに時間と工賃がかかる場合があります。

一方、360度ドラレコは1台で前後左右をカバーできるため配線がシンプルです。DIYでも比較的扱いやすく、工賃を省くことも可能です。

車内も記録できる

360度ドラレコは、タクシーや営業車など車内の様子を記録したい場合にも役立ちます。乗客とのやり取りや業務中のトラブル発生時に状況を正確に残せるため、ドライバー自身の安全管理に加え、証拠保全としても有効です。

車外だけでなく車内の安全確保にもつながる点は、360度ドラレコならではの強みといえます。

360度ドラレコのデメリット

360度ドラレコは広範囲をカバーできる一方で、いくつか注意すべき点があります。十分な知識を持たずに購入すると期待外れに感じる可能性があるため、導入前にデメリットを理解しておくことが重要です。

画質が劣る

360度ドラレコは広い範囲を一度に撮影する仕組みのため、1方向あたりの画質が低下しやすい傾向があります。

特にナンバープレートの数字や小さな標識といった細部の判別が難しく、証拠映像としての信頼性が下がる場合も見受けられます。

夜間や雨天時などの視認性が悪い状況では映像がさらに不鮮明になるため、事故の検証に不十分と感じるかもしれません。

後方の映像が見づらい

360度ドラレコは車内を通して後方を撮影する構造のため、リアシートや積み荷が映像を遮ることがあります。

その結果、後続車が小さく映り、相手の車種やナンバープレートが確認しにくい状況が発生しやすいのです。

追突事故やあおり運転など、後方からのトラブルを重視する方にはあまりおすすめできません。

垂直方向の範囲は狭い

360度ドラレコは全方向に撮影できるのですが、上下の撮影範囲が狭くなる機種も存在します。例えば、信号機や高架下の標識など高い位置にある対象が映らないケースがあり、事故の証拠が十分残らない恐れがあります。

特に信号機の色は過失割合に影響するため、「相手が赤信号を無視した」といった状況を撮影できなければ、不利になってしまうでしょう。

購入の際には、カタログや公式サイトでレンズの垂直画角を確認しておくことが重要です。

本体価格が高い

360度ドラレコは多機能である分、価格帯が高めに設定されています。

一般的な前後カメラ型が1万円台後半から2万円台前半で購入できるのに対し、360度タイプは2万円台後半から4万円台が目安です。

画質改善が施されたモデルや高性能な夜間撮影機能を備えた機種になると、5万円を超えるケースも少なくありません。

「初めてドラレコを設置する」「とりあえず安いものでいいかな」というケースでは、前方のみでも十分かもしれません。

データ容量が大きい

ドライブレコーダーでは、記録媒体の容量がいっぱいになると、古い映像データが新しいデータによって上書きされる仕組みです。

360度ドラレコは広範囲を一度に記録するため、ファイルサイズが大きくなる点には注意が必要です。前後カメラ型と比べると上書きのサイクルが早く、重要な映像が意図せず消去されるリスクが高くなってしまうのです。

さらに、大容量データの書き込みを繰り返すことでSDカードの寿命が短くなり、頻繁に買い替えなければなりません。

長距離ドライブや業務で長時間の走行を記録したい場合には、前後カメラ型のほうが向いていると言えるでしょう。

まとめ

360度ドラレコは、前方だけでなく側面や後方、さらには車内まで記録できる点が大きな強みです。駐車時のドアパンチやあおり運転、車上荒らしといった幅広いトラブルに対応できるため、安心感は高まります。

一方で、画質やデータ容量、価格の高さなどのデメリットも見逃せません。特にナンバープレートの判別を重視するなら、前後専用カメラ型のほうが適しているでしょう。

「ドライブレコーダーに何を求めているか?」を考え、カーライフに合ったドラレコを探してみてください。

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