ドラレコ映像の音声削除は可能?編集方法とリスクを解説

交通事故やトラブルに遭ったとき、ドライブレコーダーの映像は重要な証拠になります。

しかし、同時に録音された車内の会話や歌声が気になり、「音声だけ削除したい」と考える方も少なくありません。

結論として、技術的に音声を消すことは可能です。ただし、改ざんを疑われて証拠能力が落ちるリスクがあるため注意が必要です。

そこで今回は、音声を削除する具体的な方法と、編集によって起こり得るデメリットについて解説します。

ドラレコから音声だけを削除する方法

ドライブレコーダーの映像はそのままで、音声だけを削除・無音化する方法はいくつかあります。それぞれの特徴を紹介しますので、ご自身に合うものを選んでみてください。

パソコン編集ソフト

パソコン用の編集ソフトを利用すれば、ドラレコ映像の音声を分離して削除したり、無音化したりすることが可能です。

一般的な操作としては、動画をソフトに読み込み「オーディオを分離」「ミュート」などの機能を選択する流れになります。

難しそうと思うかもしれませんが、「VideoProc Vlogger」はシンプルで初心者にも扱いやすいと人気です。

「Free HD Video Converter Factory」は無料ながら500以上のフォーマット(MP4/MOV/WMVなど)に対応しています。ドラレコ以外にも編集する予定があるなら、こちらがおすすめです。

スマホアプリ

パソコンを使わなくても、スマートフォンのアプリでドラレコ映像の音声を消せます。編集後は無音化した動画を保存し、そのまま再生や共有に利用できます。

代表的なアプリをまとめました。参考にしてみてください。

アプリ名特徴
PowerDirectorAndroid・iOS両方に対応、多機能で人気が高い
Mute Videos音量をミュートするだけのシンプル仕様で迷わない
Filmora for Mobile無音部分を自動検出してカット可能
iMovieiPhone専用。スロー再生や色味の微調整も可能
ActionDirectorAndroid向け。高画質(フルHD)の動画編集にも対応

オンラインツール

オンラインツールはインターネット環境があればブラウザ上で作業できるため、ソフトやアプリを導入する必要がありません。

特に「EaseUS Online Vocal Remover」は、アップロードするだけで音声を消せるため人気があります。ただし利用できるのは最大20分、350MBまでと制限があるため、長時間のドラレコ映像には不向きです。

ドラレコ(ミュート)

ドライブレコーダー本体には、録画後に音声だけを削除する機能は基本的に備わっていません。

ただし、ほとんどの機種で、最初から音声を記録しないように設定する「音声オフ」機能が使えます。

いちど録音をオフにすれば、以降の映像には車内の会話や雑音が残らないため、プライバシーを守る手段として有効です。

ドラレコの音声を削除すると改ざんを疑われる?

ドライブレコーダーの音声を削除することは可能ですが、証拠としての信頼性が低下する危険性があります。ここからは、ドラレコ映像を編集することで生じるリスクについて紹介します。

音声も事故状況を物語る

ドライブレコーダーの音声には、事故の流れを理解するための手がかりが多く含まれています。

たとえば、ウインカーを出した音やクラクションを鳴らした瞬間が記録されていれば、運転者が危険を察知して回避しようとした行動が確認できます。

事故直後に交わされた会話も、過失割合を判断する材料として利用されることがあります。

裁判では元データが求められる

事故の証拠としてドラレコ映像を提出する場合、裁判所や警察、保険会社が重視するのは編集されていない元データです。

音声を削除したファイルは「改ざんの可能性がある」「不都合な部分を意図的に削除したのではないか」と判断されやすく、証拠としての価値が低く見られてしまうのです。

どうしても音声を消した映像を利用したいなら、必ずオリジナルデータを別に保管し、コピーしたファイルを編集するようにしましょう。

ビットレートが下がる場合あり

音声を削除するために編集ソフトやアプリを使うと、ビットレートが下がることがあります。ビットレートとは「1秒あたりに記録されるデータ量」を示す数値で、この値が低いと映像が粗くなってしまいます

ファイル容量を軽くできるというメリットもありますが、証拠性を保つうえでは画質の劣化は大きなデメリットです。

交通事故の瞬間のように動きが激しい場面では、ビットレートが十分でないとナンバープレートや信号の状態が確認しづらくなるかもしれません。

まとめ

ドライブレコーダーの映像から音声を削除することは可能ですが、証拠としての信頼性を失うリスクが伴います。

音声には事故状況を裏付ける重要な情報が含まれており、編集されたデータは裁判や保険会社から「改ざんの可能性」を指摘されることもあります。

消音を検討している方は、自分で編集するのではなく専門の映像解析サービスに相談することをおすすめします。

東海DCでは、ドラレコ映像を客観的に解析し、証拠資料にまとめるサポートを行っています。お困りの方は、ぜひ一度ご相談ください。

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