個人的な印象ですが、多くのドライバーが知らないのではないでしょうか。
交差点進入時の徐行義務のことです(法42条)。※優先道路を除く、信号で交通整理されていない、見通しの悪い交差点での話です。
別冊判例タイムズ№38では「法定の徐行の程度に達している必要はないが、当該道路を通行する車両の通常速度より明らかに減速していることをいう」と記述されています。
詳細は省きますが、要するに交差点進入時には適切な減速がマストであるということです。大抵の場合、アクセルを踏む足を少し緩めた程度では適切な減速とは言えません。
しかしながら、事故を起こす多くの方(実際に私が事故状況をヒアリングしたほとんどの方)は、「徐行義務」を知らず、適切に減速をしないで交差点へ進入しています。
それで、双方が適切な減速をせずに事故に至っている場合であれば良いのですが(良くはありませんが)、一方が適切に減速している場合には、この部分が過失割合を検討する上で重要な要素になってきます。
交差点進入時の減速の有無は立証がなかなか難しい部分ではありますが、実況見分調書や陳述書の内容から物理的に指摘することも可能ですし、ドライブレコーダーの映像で少しでも相手側が映っていれば、解析することである程度まで特定することが可能です。