センターオーバーによる交通事故!ケース別の過失割合

対向車が突然センターラインを越えて、自分の車線に飛び込んできた――そんな状況で事故が発生したら、「こっちにも過失があるの?」と思うのではないでしょうか。

基本的には、センターオーバーが原因の事故では加害者の過失が100%とされます。ただし、状況によっては被害者側にも過失が認められるケースもあります。

この記事では、センターオーバーによる交通事故の過失割合について、ケースごとにわかりやすく解説していきます。

センターオーバーによる事故とは

センターオーバーによる事故とは、車がセンターライン(道路の中央線)を越えて反対車線にはみ出し、対向車と衝突してしまう事故のことです。

まずは、センターオーバーについて基本を確認しておきましょう。

基本的には加害者が100%

センターラインを越えてきた車と衝突した場合、基本的な過失割合は「加害者100%:被害者0%」とされています。これは、法律で「車は道路の左側を通行しなければならない」と決められているからです。

第十八条 車両(トロリーバスを除く。)は、車両通行帯の設けられた道路を通行する場合を除き、自動車及び一般原動機付自転車(原動機付自転車のうち第二条第一項第十号イに該当するものをいう。以下同じ。)にあつては道路の左側に寄つて、特定小型原動機付自転車及び軽車両(以下「特定小型原動機付自転車等」という。)にあつては道路の左側端に寄つて、それぞれ当該道路を通行しなければならない。

引用:道路交通法 | e-Gov 法令検索

つまり、あなたが自分の車線を正しく走っていたのであれば、原則として「まったく落ち度はない」という扱いになります。

注意!過失がない場合、保険会社は交渉できない

センターオーバーによる事故で過失割合が0、つまり被害者側にまったく落ち度がない場合、相手側にすべての損害を請求できます。

ですが、ここで思わぬ落とし穴があります。

実は、被害者側の保険会社は示談交渉に関与できないのです。理由は簡単で、一切の賠償責任がなく、保険会社もお金を支払う必要がないから。つまり「利害関係がない=動けない」という仕組みなんです。

その結果、被害者本人が加害者側の保険会社と直接やり取りしなければならず、保険や法律の知識がないまま話を進めてしまうと、不利な条件で示談がまとまってしまうことも…。

こうしたリスクを避けるためにも、弁護士に相談するのがおすすめです。

もしご自身の保険に「弁護士費用特約」がついていれば、費用負担なしで専門家に依頼できる場合もあります。ぜひ一度、ご自身の保険内容を確認してみてください。

センターオーバーで過失割合が修正されるケース

「センターラインを越えた相手が100%悪い」というのは原則で、状況によって過失割合が変わります。

ここからは、どんなケースで過失割合が変わるのか、具体的に紹介していきます。

左側を走行できなかった場合

本来、センターラインを越えた車が全面的に悪いとされますが、道路工事や障害物があって、どうしても左側を走れない場面もありますよね。

道路交通法第17条5項では、左側の通行が困難な場合には、センターラインをはみ出して走行することが認められています。

そのため、加害者側に「やむを得なかった事情」があったと判断されると、過失割合が「加害者100%:被害者0%」ではなくなります。

被害者側にも過失があった場合

被害者側にも不注意やルール違反があったと判断されると、過失が加算されることがあります。たとえば、よそ見をしていて相手のセンターオーバーに気づくのが遅れた場合が分かりやすいでしょう。

センターラインがなかった場合

センターラインが引かれていない道路では、お互いが道の左側を走ることが前提となっています。

そんな中、対向車が中央より右側、つまりあなたの進行側にはみ出してきて衝突した場合、基本的な過失割合は「加害者80%:被害者20%」とされています。

なぜ被害者側にも20%の過失があるのかというと、センターラインがない道では「対向車がはみ出してくるかもしれない」と注意を払う義務があると考えられているからです。

ただし、あなたが道路の左端をきちんと走っていたにもかかわらず、相手が大きく中央を越えて突っ込んできたような場合は、過失割合が再調整されることもあります。

道路の状態や走行位置によっても判断が変わるため、納得のいく解決を目指すには弁護士への相談がおすすめです。

まとめ

センターオーバーによる事故の過失割合は、原則として「加害者100%:被害者0%」とされますが、道路状況や運転の内容によって変わることがあります。

相手側や保険会社とのやり取りが思うように進まないこともあるため、早めに弁護士に相談するのがおすすめです。

ご自身の保険に「弁護士費用特約」がついていれば、ほぼ自己負担なしにサポートを受けられるので、ぜひ活用してください。

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