ドライブレコーダーは、いまや「交通事故の瞬間を記録するだけ」の機器ではありません。「車間距離を取っていたつもりなのに近かった」「信号が変わったことに気づけなかった」といった場合に、音で危険を知らせてくれる機能が備わっているのです。
この記事では、ドラレコの安全運転支援機能について、仕組みや使う際の注意点をわかりやすく解説します。
ドラレコの「安全運転支援機能」
最近では、ドラレコに「安全運転支援機能」や「DSSS(Driving Safety Support Systems)」と呼ばれる機能が搭載されるようになってきました。
これは、運転中のヒヤリとする場面をカメラやセンサーがとらえ、警告音や画面表示でドライバーに注意を促すというもの。
「ちょっと目を離しただけ」「気づいたら接近しすぎていた」といったうっかりによって、大きな事故に発展するのを未然に防いでくれます。
ここでは、具体的にどんな機能があるのか説明していきます。
前方車両に接近し過ぎたことを知らせる機能

渋滞中にスマホに気を取られた時や、ぼんやり考えごとをしていた時など、ちょっとした油断が追突につながることも。
「前方車接近警告」や「前方衝突防止アラート」といった機能では、ドラレコのカメラが前の車との距離を常にチェックし、一定の距離まで近づくと警告音などで知らせてくれます。
「危ない」とすぐに気づけて、余裕を持った車間距離に戻すことができます。
車線からはみ出したことを知らせる機能
長距離ドライブや夜の運転中など、集中力が落ちてくると、知らず知らずのうちにハンドル操作がズレてしまうこともありますよね。
「車線逸脱警告」や「レーンキープアシスト」と呼ばれる機能は、ドラレコが道路の白線や黄線を認識し、車が車線から左右にズレたときに警告してくれるものです。
この機能があれば、対向車線へのはみ出しや、側道への逸脱といった重大な事故の予防につながります。
前の車両が発進したことを知らせる機能

信号待ちのとき、助手席の人と話していたり、ついスマホに気を取られてしまったり——そんな時に「前の車、もう発進してた!?」と慌てた経験はありませんか?
こうしたうっかりを防いでくれるのが、「信号発進警告」や「スタートインフォメーション」といった機能です。
前の車が動き出したことをカメラが検知し、音で知らせてくれるので、発進の遅れによる後続車への迷惑や急発進による事故リスクを減らすことができます。
速度を出し過ぎたことを知らせる機能
スピードを出し過ぎると、止まるまでの距離が長くなり、思わぬ事故につながる危険が一気に高まりますよね。
この機能は、道路の制限速度を超えると警告音を鳴らし、ドライバーに注意を促してくれるものです。
カーナビの情報やGPSと連動して、現在地の制限速度に応じて知らせてくれるモデルもあり、知らない道でも頼りになります。
あおり運転を知らせる機能

最近ニュースでも話題の「あおり運転」。車が後ろから急接近してきたり、無理な割り込みをしてきたりすると、とても怖いものです。
そんな危険な行為を検知し、警告と同時に録画までしてくれるのが「後方車両接近検知機能」です。
トラブルが起きた際の証拠映像としてしっかり残せますので、もしもの時には、警察への通報や法的手続きにも使える大切なデータになります。
危険エリアを知らせてくれる機能
見通しの悪いカーブや事故の多い交差点、小学校のそばなど、運転中に注意が必要なエリアって意外と多いものです。
この機能は、ドラレコのGPSを使って、そうした危険エリアに近づいたときに警告音や画面表示で知らせてくれる仕組みです。
特に土地勘のない初めての道や、夜間の走行では危険に気づきにくいため、この機能があると気をつけて走ろう」と意識を引き締めるきっかけになるでしょう。
安全運転支援機能 搭載ドラレコの注意点
疲れているときや時間に追われているとき、知らない道を走っているときは、誤操作や見落としが起きやすいもの。
ドラレコの安全運転支援機能はとても頼れる存在ですが、過信は禁物です。
警視庁も「機能を過信せず、あくまで運転者が責任を持つべき」と注意を呼びかけています。
機能の感度や反応速度は機種によってバラつきがあり、「思ったより反応が遅かった…」というケースも。安心して使うためには、購入前に機能や性能をよく確認し、カメラの取り付け位置や設定も正しく行うことが大切です。
まとめ
車の運転中にヒヤリとする瞬間は、誰にでもあるもの。だからこそ、その一瞬を見逃さずに気づかせてくれるドライブレコーダーの安全運転支援機能は、とても心強い味方です。
前方との接近、車線のはみ出し、スピードの出しすぎ、発進の遅れなど、さまざまな場面であなたの運転をサポートしてくれます。
ただし、頼りすぎには注意。最終的に安全を守るのは、ドライバー自身の意識です。
今、ドラレコの買い替えを考えているなら、機能の仕組みや注意点をきちんと理解したうえで、自分に合った一台を選んでみてください。