パソコンに詳しくない人にとって、突然のデータ消失はパニックそのもの。でも実は、ちょっとした手順で取り戻せるケースもあるんです。
今回は、パソコンのデータを自分で復元する方法や、気をつけたいポイントを解説します。まずは落ち着いて、順を追って確認していきましょう。
自分でデータを復元する方法
初めてデータを復元する方に向けて、5つの方法を分かりやすく説明していきます。
ごみ箱から復元する

最初に確認したいのが「ごみ箱」です。パソコンでは削除したファイルが一時的にごみ箱に移動する仕組みになっています。
デスクトップのごみ箱アイコンをダブルクリックして、探しているファイルが入っていないかチェックしてみましょう。見つかったら、そのファイルを右クリックして「元に戻す」を選べば、元の場所に復元されます。
ただし、削除した方法によってはごみ箱を経由せず消えてしまうので、そのときは別の方法を試す必要があります。
「以前のバージョン」で復元する

うっかり削除を押してしまった…というときは、フォルダの「以前のバージョン」で戻せるかもしれません。
対象のフォルダを右クリックして「プロパティ」を選択し、「以前のバージョン」タブを開いてください。そこに表示された復元可能な日時から、必要な状態を選んで「復元」をクリックするだけです。
ただし、事前に「ファイル履歴」機能を有効にしておかなければなりません。
有効なのに「利用可能な以前のバージョンはありません」というメッセージが表示される場合は、本体やハードディスクに問題が起こっていると思われます。自分で対処するのは難しいため、専門業者にご相談ください。
ファイルの履歴から復元する
Windowsには「ファイル履歴」という便利なバックアップ機能が備わっています。
スタートメニュー横の検索欄に「ファイル履歴」と入力し、「個人用ファイルの復元」を開いてみましょう。ここで過去に保存されたファイルやフォルダを一覧から選んで復元することができます。
ただし、この機能を使うには、事前にファイル履歴機能を有効にしておく必要があります。
復元ポイントから復元する

パソコン全体の状態を過去の時点に戻す「システムの復元」も検討しましょう。
検索欄に「復元ポイントの作成」と入力して開き、「システムの復元」を選択します。指定した日時の復元ポイントを使って、パソコンをその時点の状態に戻します。
なお、この方法は、システム全体を巻き戻す処理です。途中で中断できず、故障が進むリスクもあるので慎重に判断しましょう。
データ復旧ソフトを使う
データ復旧ソフトはさまざまな会社から提供されており、無料で簡単に使用できるものも多いです。
しかし、ソフトの動作でデータが上書きされてしまい、かえって復元が難しくなることも…。また、パソコン自体に物理的なダメージがあると、状態を悪化させるリスクもあります。
データを安全に取り戻したいなら、専門業者に相談したほうがよいです。
データを自分で復元する際の注意点
「自分でなんとかできそう」と思っても、ちょっとした操作ミスで復元できるはずのデータが完全に消えてしまうかもしれません。
ここでは、データ復旧を試みる前に知っておくべきことを紹介します。
再起動は控える
「調子が悪いからとりあえず再起動」という気持ちはよく分かりますが、おすすめできません。
再起動することでシステムが新しいデータを書き込み、消えたファイルの上に上書きしてしまう可能性があります。
さらに、ハードディスクが劣化している場合、起動のたびに状態が悪化し、復元できたはずのデータが完全に失われるリスクも考えられます。
ファイルの場所を変えない
削除されたファイルは、物理的にはまだパソコン内に残っていることが多いです。ただし、その領域にデータが書き込まれると、元のデータは消えてしまいます。
たとえば、「とりあえず他の作業を…」と新しいファイルを保存したり、別の場所にファイルを移動したりするのはNG。
できるだけパソコンを触らないようにして、専門業者に相談したほうが安全です。
フォーマットしない
「ドライブが読み込めない」「フォーマット(初期化)しますか?」と表示されたとき、焦って「はい」を押してしまいそうになりますが、我慢してください。
フォーマットを行うと、ドライブ内の全データが消去されてしまいます。
できるだけ早めに対処する
「あれ?データがない…でも今は必要じゃないからいいか」と後回しにしていませんか?消えたデータは、時間が経つほど復元の難易度が上がります。
ごみ箱の中のファイルは、基本的に30日で自動削除されます。また、パソコンの調子が悪いまま放置すると、状況がさらに悪化してしまうこともあります。
データを本当に取り戻したいなら、できるだけ早めに対応するようにしましょう。
まとめ
大切なデータを失ってしまったときでも、意外とあっさり元に戻せるケースもあります。
ただし、「なんとかなるかも」と軽く考えて作業を進めると、取り返しがつかなくなるかもしれません。
少しでも不安を感じたら、無理せずデータ復旧業者に相談しましょう。