パソコンが故障したとき、頭に浮かぶのは「修理」や「データ復旧」でしょう。
でも「何が違うの?」「どっちを頼めばいいんだろう?」と迷ってしまう方も多いのではないでしょうか。
この記事では、データ復旧サービスと修理サービスの違いをわかりやすく解説しています。具体的なケースも紹介しますので、ご自身の状況に照らし合わせてみてください。
データ復旧サービスと修理サービスの違い

「データ復旧サービス」と「修理サービス」。名前は似ていますが、目的が全く違います。
データ復旧サービスは、消えてしまったデータや開けなくなったファイルを取り戻すことが目的。一方で修理サービスは、壊れたパソコンを再び使えるように直すことが目的です。
まずは、それぞれのサービスについて確認しましょう。
データ復旧サービスとは
- 突然パソコンの電源が入らなくなった
- ウイルスに感染してファイルが開けなくなった
- うっかり大事なデータを消してしまった
そんなトラブルに直面したとき、頼りになるのがデータ復旧サービスです。
専門の技術を使い、壊れたパソコンや読み込めなくなったメディアからデータを救い出し、新しいHDDやUSBメモリなどに保存してくれます。
データリカバリー、データ復元、データ修復など、呼び方はいろいろありますが、どれも「データを取り戻す」という意味では同じです。
修理サービスとは
修理サービスは、壊れた部品を交換したり、内部の故障を直したりして、パソコン本体を再び動くようにすることが目的です。
ただし注意が必要なのは、修理の過程で保存していたデータが消えてしまう可能性がある点です。たとえばハードディスクが壊れていて交換される場合、元のデータはすべて消えてしまいます。
修理業者によってはデータ移行をしてくれる場合もありますが、必ずしもすべてのデータが無事に残るとは限りません。
修理サービスはあくまで「パソコンを直す」ことが優先で、データの保証は基本的に含まれていないことを、しっかり理解しておきましょう。
データ復旧サービスと修理サービスどちらを選ぶべき?
「結局、どっちを選べばいいの?」と迷う方も多いでしょう。選ぶ際のポイントは、「データを守りたいのか」それとも「パソコンを直したいのか」 にあります。
ここから、具体的なケースを挙げ、どちらが適しているのか説明していきます。
そのパソコンにしかデータを保存していない

「しまった…このパソコンにしかデータが入っていなかった!」と気づいたとき、焦りと後悔で頭が真っ白になりますよね。
特に、故人のパソコンに家族の写真が保存されている場合や、他のパソコンや外付けハードディスクにデータを移していない場合、そのデータはとても貴重で代わりがききません。
そんなときは、データ復旧サービスを検討しましょう。パソコンが壊れて電源が入らなくても、専門技術で中のデータを取り出せる可能性があります。
パソコンに思い入れがある
「このパソコン、誕生日にプレゼントでもらったんだ」「独立したときに買った特別な一台」そんなふうにパソコン自体に思い入れがある場合は、修理サービスを選ぶのがおすすめです。
壊れた部分を直したり、パーツを交換したりして、できる限り元の状態で使えるようにしてもらえます。
ただし、修理の際にデータが消えるリスクがあることは忘れないでください。
ファイルを削除してしまった

パソコン自体には問題がなく、誤って削除してしまったデータを取り戻したいときには、データ復旧サービスを選びましょう。
実は、削除やフォーマット(初期化)した直後なら、データが完全に消えたわけではなく、復旧できる可能性が高いのです。
ただし、そのままパソコンを使い続けると新しいデータが上書きされ、復旧が難しくなることも。気づいたらまず電源を切り、できるだけ早く専門業者に相談しましょう。
外付けHDDを認識しない
外付けハードディスクを繋いでもパソコンがまったく反応しないケースです。原因は、記録媒体の不具合か、パソコン本体側の不調か、どちらの可能性も考えられます。
SDカードやUSBメモリの場合、修理サービスでは対応が難しいことが多いですが、データ復旧サービスなら内蔵ハードディスクはもちろん、外付けHDDやUSBメモリ、SDカードなど幅広い媒体に対応しています。
急いでいる
修理サービスの場合、パソコンをメーカーや修理業者に送る必要があり、1〜2週間ほどかかることも少なくありません。
一方、データ復旧サービスなら、状態によっては3〜5日ほどでデータを取り戻せる可能性があります。急ぎの場合、データのみ先にメールやクラウドで渡してくれることも。
どちらのサービスも症状によって期間が変わるため、依頼前にどれくらい時間がかかるか確認しておくと安心です。
まとめ
今回は「データ復旧サービス」と「修理サービス」の違いについて説明しました。
簡単にまとめると、データを守りたいなら復旧サービス、そのパソコンを使い続けたいなら修理サービス、という使い分けになります。
この記事を参考に、どちらを選んだほうがよいのか考えてみてください。