車内のプライバシー保護や日差し対策に人気のスモークフィルム(カーフィルム)。けれど、「貼ったらドラレコの映像が見えづらくなるのでは?」と不安に感じる方も多いでしょう。
実際、フィルムの種類によっては、昼間は問題なくても夜間には映像が真っ暗になってしまうこともあります。
この記事では、スモークフィルムとドラレコを併用したとき映像の見え方がどう変わるのか、そして安全に使うために気をつけたいポイントをわかりやすく紹介します。
スモークフィルムはドラレコに影響する?

スモークフィルムは日差しや外からの視線を遮る効果がありますが、光の透過量を減らすため、ドラレコの映像が暗くなる恐れがあります。
ここからは、透過率(どれだけ光を通すかを示す数値)の割合別に、映像の見え方を紹介します。
透過率5%は全体的に暗い
透過率5%前後のスモークフィルムは、外から車内がほとんど見えないほど濃いタイプです。
プライバシー性は非常に高い反面、ドラレコとの併用には慎重な判断が必要です。
強い直射日光の下でもドラレコ映像が全体的に暗くなるため、ナンバープレートや標識の文字が判別しづらくなる可能性があるのです。
透過率10%は状況によって暗くなる
透過率10%前後のスモークフィルムは、外から車内がうっすら見える程度の濃さです。
晴天の昼間であれば車両の色や標識も比較的はっきり映りますが、トンネルではナンバープレートが黒くつぶれるリスクが考えられます。
透過率30%は映像の邪魔になりにくい
透過率30%前後のスモークフィルムは、外観がやや黒みがかる程度です。
ドラレコの映像は明るさをほとんど損なわず、ナンバープレートや標識、信号・対向車の車種なども鮮明に記録できるはずです。
プライバシーを確保しながら記録性能も維持できるため、ドラレコと併用するなら透過率30%を目安にしてみてください。
スモークフィルムを貼ると車検は通らない?

フロントガラスや運転席・助手席のドアガラスには、「可視光線透過率70%以上」という基準が定められており、この数値を下回ると車検に通りません。
自動車(二輪自動車、側車付二輪自動車及び被牽 けん 引自動車を除く。)の前面ガラス等の うち前面ガラス及び側面ガラスのひずみ、可視光線の透過率等に関し、保安基準第29条 第3項の告示で定める基準は、次の各号に掲げる基準とする。 一 透明で、運転者の視野を妨げるようなひずみのないものであること。 二 運転者が交通状況を確認するために必要な視野の範囲に係る部分における可視光線 の透過率が70%以上のものであること。
特に注意したいのは、色付きガラスを採用している車両です。ガラス自体の透過率が低いと、スモークフィルムを重ねることで基準の70%を下回る可能性があります。
※後部座席やリアガラスには透過率の規定はありませんが、視認性を考えると真っ黒にするのは避けたほうが無難です。
ドラレコと併用!スモークフィルムを貼る際のポイント

スモークフィルムを貼るとプライバシー保護や日差し対策に役立ちますが、ドラレコの映像が暗くなりやすいという面もあります。
ここからは、安全性と快適性を両立するために、知っておきたいポイントを紹介します。
透過率30%を選ぶ
カーフィルムの透過率は「どれだけ光を通すか」を示す数値で、小さいほど濃く(黒に近く)なります。
透過率5%程度は外から車内がほとんど見えないほど濃いため、昼夜を問わず映像が暗くなりやすいです。
交通事故やトラブルの際に証拠として提出したいなら、透過率30%前後を選んだほうがよいでしょう。
フィルムの色合いにも注意
スモークフィルムにはグリーンやブルーなど色付きタイプもあり、外観に個性を出せるのが魅力です。ただし色付きフィルムは、ドラレコ映像にその色がかぶってしまい、信号などが判別できなくなるかもしれません。
映像をできるだけクリアに残したいなら、自然な見え方を保ちやすいグレー系がおすすめです。
カメラ部分を切り抜く
スモークフィルムを全面に貼ると、ドラレコのカメラ部分にもかかってしまい、映像が暗くなったり歪んだりする原因になります。
フィルム越しの映像がぼやけないよう、カメラ周辺を少し広めに切り抜きましょう。
気泡や浮きが残ると光が乱反射して映像が白っぽくなることもあるため、自分で貼るより専門業者へ依頼するほうが確実です。費用の目安は2〜3万円です。
専門店で測定してもらう
先述の通り、フロントガラスや運転席・助手席のドアガラスは可視光線透過率70%以上を確保しなければ車検に通りません。
見た目では十分明るく見えても、実際に測ると基準を下回っているケースもあります。
専門店に相談すれば専用機器で測定してくれるので、念のため確認しておきましょう。
まとめ
スモークフィルムとドラレコは併用できますが、フィルムの種類によっては映像が暗くなり、夜間は判別できなくなる恐れがあります。
プライバシーを守りつつ記録性能も確保するには、「透過率30%程度のフィルムを選ぶ」「カメラ部分を切り抜く」などの工夫が欠かせません。
安全で安心なカーライフのために、ぜひこの記事を参考にしてください。