「横から突っ込まれて、事故になった!」「わき道から出てきた車に衝突された!」そんな状況で気になるのが、ドライブレコーダーに事故の状況が記録されているかどうかではないでしょうか。

残念ながら、一般的に使用されているドラレコはすべての方向をカバーしていません。

そこで今回は、ドラレコの撮影範囲について分かりやすく解説していきます。

ドラレコの画角による撮影範囲

ドライブレコーダーの撮影範囲について知っておくことは、とても大切です。製品サイトや取扱説明書には「レンズ画角」という項目があるはずです。

画角とは、カメラがどれだけ広い範囲を撮影できるかを角度で表したもので、水平画角、垂直画角、対角画角の3種類があります。ここでは、それぞれの画角がどのようなものかを見ていきましょう。

水平画角

水平画角は、ドライブレコーダーのレンズから左右(横)方向に映る範囲を指します。「左右画角」とも呼ばれます。

最近の機種では130度のものが多いですが、180度以上のものだとさらに広い範囲をカバーでき、横を走っている車や歩行者・自転車などもしっかり映ります。

垂直画角

垂直画角は、ドラレコのレンズから上下(縦)方向に映る範囲を指します。

最近の機種では60度前後が一般的ですが、70度以上のものだと、高さのある信号や道路標識なども記録されやすくなります。

対角画角

対角画角は、カメラが撮影できる範囲の対角線を示しています。

ドラレコの場合140度前後が標準で、150度を超えると優秀とされています。対角画角が広いと、一度に多くの情報を記録でき、事故の詳しい状況を警察や保険会社に伝えることができます。

ドラレコのタイプによっても撮影範囲が異なる

ドライブレコーダーは主に3種類のタイプがあり、撮影できる範囲が大きく異なります。

  • フロントのみ撮影するタイプ(前1カメラ)
  • 前後を撮影するタイプ(前後2カメラ)
  • 360度撮影するタイプ(360度カメラ)

それぞれのタイプの特徴とメリット、デメリットを見ていきましょう。

フロントのみ撮影するタイプ(前1カメラ)

このタイプはフロント(前方)カメラのみを搭載しており、前方しか録画しません。機能がシンプルな分、価格が1万円前後と安く、手軽に導入できるのがメリットです。

しかし、撮影範囲が狭いため、側方や後方の状況は記録されません。例えば、正面衝突などの前方の事故には対応できますが、側面から突っ込まれた事故では映っていない可能性が高いです。

「あの時、横からぶつかってきた車の状況が記録されていれば…」と後悔するかもしれません。

前後を撮影するタイプ(前後2カメラ)

フロント(前方)カメラとリア(後方)カメラを備えたタイプは、前方と後方の両方を同時に撮影できます。後ろからの追突や煽り運転など、前後の状況をしっかり記録してくれるので安心です。

例えば、信号待ちで停車している際に後ろから追突されたとしましょう。基本的にこのケースの過失割合は「100(追突した側):0(追突された側)」となり、相手(加害者)のみが責任を問われることが多いです。

相手が「追突された側にも過失がある」と主張してきた場合でも、ドラレコの映像があれば、あなたが道路交通法を守っていたことを証明できます。

ただ、このタイプも横方向の映像は記録されません。そのため、側面からの事故や横からの接触については証拠として使えないことが考えられます。

360度撮影するタイプ(360度カメラ)

360度カメラを搭載したタイプは、前後だけでなく左右上下、全方面を録画できます。「全天周カメラ」や「全天球カメラ」とも呼ばれます。

このタイプなら交差点や信号待ちの際にもまわりの動きを把握でき、横からの衝突や割り込み・すり抜けによる事故も撮影可能です。

例えば、相手車両のスピード感やブレーキのタイミング、ナンバープレートなども記録されるため、決定的な証拠として活用できます。

ただし、360度カメラを搭載したドラレコは他のタイプと比べて高価で、「気にはなっていたけど購入しなかった…」という方も多いのではないでしょうか。

もし交通事故に遭ってから、大事な瞬間が映っていないと分かった場合はドラレコの映像を解析してくれるサービスを依頼してみてください。映っている部分から重要な情報を導き出し、あなたの有利に話が進むようサポートしてくれるはずです。

まとめ

今回はドライブレコーダーの撮影できる範囲について分かりやすく説明しました。

多くの車が設置している「前1カメラ」や「前後2カメラ」では横(側面)が死角となるため、記録されないケースが多いです。事故映像として証拠を残したい場合は、多少高価ですが360度カメラをおすすめします。

もしすでに事故に遭っていて、映像を再生してから「撮れていなかった!」という場合でも、まだ諦めないでください。

東海DCでは、映像から事故の真相を解明し、詳しい状況をまとめた書類を提供しています。「このままドラレコを警察や保険会社に提出しても、あまり証拠として役立たないかもしれない…」と思ったときも、一度ご相談ください。