交通事故に遭った直後、ドラレコの液晶画面に「録画停止」といったエラー表示が出ることがあります。これは「緊急録画停止」機能によるもので、強い衝撃を検知した際に自動的に録画を停止し、重要な映像が上書きされないようになっています。
警察や保険会社に提出する証拠を確実に残せる便利な機能なのですが、初めて見たときはどうすればよいか迷ってしまうかもしれません。
そこで今回は、ドラレコの緊急録画停止の概要と、エラーメッセージへの対処法について紹介します。
ドラレコ緊急録画停止の仕組み

ドライブレコーダーの「緊急録画停止」機能とは、事故などの大きな衝撃を受けた際に録画を自動で停止する機能です。この機能により、重要なデータが上書きされるのを回避できます。
ここではドラレコの記録の流れに沿って、緊急録画停止機能とはどういうものかを説明していきます。
イベント録画(緊急録画)開始
ドラレコの撮影モードには「常時録画」と「イベント録画」の2種類があります。
普段は「常時録画」モードになっており、車のエンジンをかけると録画を開始し、走行中のすべての映像を記録し続けます。
事故や急ブレーキなどの衝撃を検知すると「イベント録画」モードに切り替わり、その瞬間の映像を別ファイルに保存します。※録画ボタンなどで任意のタイミングで記録が可能なタイプもあります。
録画が自動停止
イベント録画が一定時間続くと、ドラレコは自動的に録画を停止します。モデルによりますが、衝撃を感知してから30秒程度でストップするのです。
「緊急録画停止」とはまさにこの段階のことで、事故映像の上書きや破損を防ぐための安全機構です。
映像の保存・保護
ドラレコの映像はSDカードやmicroSDカードに保存されますが、容量がいっぱいになると上書きされていきます。例えば64GBなら8〜12時間分の映像を保存し、それ以降は古いデータから消えていくのです。
緊急録画停止が作動した映像は、自動的に保護ファイルとして扱われます。通常録画のようにSDカードの容量がいっぱいになっても上書きされず、削除やフォーマットをしない限り残り続けます。
ただし、機種によっては「イベント録画〇件まで」といった制約があるので、事故後は早めにカードを取り外し、別の媒体にバックアップしておきましょう。「再生してみたらデータがない!」「向こうが悪いのに、映像がなくなったせいで認めてもらえない!」といった事態は避けたいですよね。
警察・保険会社へ提出
緊急録画停止によって保護された映像は、事故状況を示す重要な証拠になります。
警察の事故処理や保険会社の過失割合の判断に活用されることが多く、信号の色や衝突のタイミングなどを客観的に確認できます。双方の主張が食い違った場合でも事実関係を明確にでき、スムーズな示談交渉につながるでしょう。
もし映像が暗い・解像度が低いなどで判別が難しい場合は、ドラレコ映像解析の専門業者に依頼する方法もあります。
東海DCは専用ソフトを用いて分析し、車両損傷写真や車両外観図なども踏まえて状況を明確にしていきます。詳しくはサービスページをご覧ください。
ドラレコの緊急録画停止を解除する方法

突然エラーメッセージが表示されて戸惑ってしまうかもしれませんが、落ち着いて対応すれば大丈夫です。
ここからは、緊急録画停止の解除方法について分かりやすく説明します。
エラーメッセージから解除する
ドラレコの液晶画面に「録画停止」や「録画を再開する場合はOKを押してください」といったメッセージが表示されたら、画面上の指示に従って操作すればOKです。
操作手順は機種にもよって多少異なりますが、ほとんどの場合、画面の「OK」ボタンを押すだけで解除できます。もし操作が分からないときは取扱説明書を確認してみてください。
設定から解除する
エラーメッセージをうっかり消してしまった場合でも心配ありません。ドラレコの「メニュー(設定)」から緊急録画停止を解除できます。
具体的な操作手順は機種によって異なるため、取扱説明書やオンラインマニュアル・メーカーのサポートサイトを参考にしてください。
例えばCOMTEC(コムテック)公式サイトには取扱説明書 ダウンロードが用意されています。製品型番を入力すれば、自分のドラレコのマニュアルを簡単に確認できます。
緊急録画・停止が誤作動する場合の対処法
「緊急録画」は、ドラレコが衝撃を検知して自動的に録画を始める機能です。
本来は事故などの強い衝撃を感知したときだけ作動しますが、設定によっては日常の小さな揺れでもイベント録画が頻発することがあります。
ここでは、誤作動で困っている方に向けて対処法を紹介します。
緊急録画停止を「オフ」にする
多くのドラレコでは、緊急録画停止機能が初期設定で「有効(オン)」になっています。
メニュー(設定)からON/OFFを切り替えることも可能ですが、オフにすると衝撃を検知しても録画が継続するようになります。
「いちいち解除する必要がないなら良さそう」と思うかもしれませんが、SDカードの容量がいっぱいになると重要な映像まで上書きされてしまうリスクがあります。
そのため、緊急録画停止を完全に切ってしまうのではなく、感度を調整する方法をおすすめします。
設定値(感度)を変更する
ドラレコは、設定値以上の衝撃を感知すると緊急録画が始まり、一定時間の録画後に自動で停止(データ保護)されます。
段差や縁石を越えるたびに緊急録画が作動してしまう場合は、感度を下げる(鈍くする)と誤作動を減らせます。
ただし、感度を下げすぎると事故時の衝撃を検知できないおそれがあるため注意が必要です。
一般的なドラレコでは、感度を数段階から選べます。中程度に設定すると、過敏すぎず、必要なときだけしっかり反応するバランスが取れるでしょう。
まとめ

ドライブレコーダーの「緊急録画停止」は大きな衝撃を受けた際に、自動的に録画を停止し、重要な映像が上書きされるのを防ぐ機能です。
液晶画面に「録画停止」といったメッセージが表示された場合は、指示に従って解除してもよいですが、録画が再開される点には注意してください。事故後に警察や保険会社に映像を提出する必要がある場合は、すぐにドラレコからSDカードやmicroSDカードを抜き取っておくと安心です。
東海DCではドラレコ映像解析サービスを提供しています。映像から交通事故の詳しい状況を調査し、状況説明図にまとめるので、示談交渉や裁判を有利に進めるための強力なサポートとなります。事故後の手続きでお困りの際は、ぜひ一度ご相談ください。
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