防犯カメラを選ぶ際に「画素数」や「解像度」が重要だとはよく聞きますよね。しかし、具体的にどのくらいの画素数が適しているのか、よく分からないという方も多いのではないでしょうか。

特に店舗に設置する場合は、「撮影はできているが、映像がぼやけていた…」といったケースは避けたいですよね。

そこで今回は、防犯カメラの画素数と解像度について分かりやすく解説します。これから防犯カメラを設置する方も、買い直す予定の方も、ぜひ参考にしてください。

防犯カメラの画素数とは

「画素数」とは、画像を構成する最小単位の数を指します。「ピクセル」とも呼ばれます。画素数が高ければ高いほど、ピクセルのサイズが小さくなり、画像は精細で鮮明になります。

例えば「100万画素」とは、画像内に100万個のピクセルが含まれていることを意味します。防犯カメラにおいては、この画素数が画像のクオリティを左右する重要な要素なのです。

解像度との違い

「解像度」は、画像を構成する縦横の画素数を掛け合わせて表されます

例えば「1920×1080」という解像度は、約200万画素(207万3,600画素)です。解像度が高いほどピクセルの密度が高くなるため、細かな部分までしっかりと捉えられます。

画素数も解像度も、数値が大きいほど精細になる点は共通していますが、表記や意味が少し異なることを覚えておきましょう。

画質との違い

鮮明な動画や写真を「高画質」、逆にぼんやりしたものを「低画質」と言いますよね。「画質」とは、画像の質を表す言葉です。全体的な見やすさと言えば分かりやすいでしょうか。

「高画素数=高画質」と思われがちですが、他にも多くの要素が影響します。

  • 画素数
  • 解像度
  • フレームレート
  • 画角
  • レンズ
  • イメージセンサー
  • 赤外線機能

こういった要素が組み合わさって「クリアに見えるかどうか」が決まるのです。

例えば、高い画素数を持つカメラでも、レンズの品質やイメージセンサーの性能が低いと、期待したほど高画質で録画されないケースもあります。

防犯カメラの画素数による違い

「防犯カメラは画素数が高ければ高いほどくっきり映る」というのは理解していても、具体的にどのように違うのかよく分からないですよね。

一般的な用途では200万画素が主流となっていますが、画素数によって映像の鮮明さが大きく変わってきます。ここでは、画素数ごとの特徴について説明します。

100万画素(HD)

100万画素の防犯カメラは、基本的な監視には十分な画素数です。人の動きや大まかな状況を把握するのに適しています。

例えば、店舗の出入り口を監視する場合など、詳細な情報を必要としない場面で活躍します。

低スペックのためコストも抑えられますが、現在ではあまり販売されていません。

200万画素(フルHD)

現在、一般的に使用されているのが200万画素の防犯カメラです。顔の特徴や服装、車のナンバープレートなど詳しい部分までしっかりと捉えることができます。

店舗内や住宅周辺など、より詳しい情報を必要とする場所に適しています。ただし、カメラと対象物の距離によっては見づらくなる場合があるため注意が必要です。

400万画素(2K)

400万画素の防犯カメラなら、作業者の手元やお札の番号まで鮮明に映し出せます。

価格は高めですが、レジまわりや店舗内、駐車場に設置して万引きなどの証拠映像を残す場合に選ばれています。

800万画素(4K)

さらに高画質を求めるなら、800万画素もあります。拡大してもきれいに見えるので、特に重要な場所や高価な品物を守りたい場合には検討する価値があります。

ただし、高解像度のモニターも必要となるため、カメラとモニターを揃えると導入費用がかなり高くなってしまいます。スペックとコストのバランスを考えたほうがよいでしょう。

画質が悪くても映像解析はできる?

たとえ高画素数の防犯カメラを設置していても、必ずしも安心とは言えません。先述した通り、画質は画素数だけでなく、さまざまな要素で決定されるからです。

事故や万引きが発生した際に映像を証拠として警察等に提出することがありますが、画質が荒くて細部がはっきりと分からないことも少なくないのです。

正直なところ、そういった映像では犯人の特定には全く役に立ちません。また、テレビドラマや映画に出てくるような、低画質な映像がボタンひとつで高画質になるということは現実にはあり得ません。

仮にAIで低画質を高画質に変えたとしても、そこに映し出されるきれいな映像は空想の映像です。それを証拠としては使えませんし、語弊を恐れずに言えば、それはもう映像証拠のねつ造です。

まとめ

今回は防犯カメラの画素数・解像度について説明しました。

画素数が高い防犯カメラを使用すれば鮮明な画像が撮影でき、万が一の際に役立ちます。しかし、画質は画素数だけでなく複数の要素が影響するため、場合によっては映像がぼやけてしまうこともあります。

低画質では、いざという時に役に立ちません。防犯の効果はあるかもしれませんが、実際に犯行が起きたときには、低画質の映像では解決のための役には立たないという状況になりかねません。

ですから、古い防犯カメラをご使用であれば、思い切って防犯カメラを買い直すことをお勧めします。

東海DCでは、防犯カメラや監視カメラの映像解析サービスを提供しています。ただし、これは低画質を高画質にするというサービスではありません。低画質な画像を鮮明化しても低画質で有ることに変わりありません。

事故や犯罪の状況を正しく把握するために、ぜひ防犯カメラの性能を調べ、買い直すことを検討されてください。