事故に遭った時、ドライブレコーダーのデータを警察や保険会社に提出することは一般的です。しかし、車内での会話や歌声も録音されているかと思うと、ためらってしまいますよね。
そこで今回は、ドラレコの音声録音機能の仕組みや、証拠としての価値を紹介します。この記事を読んで、ドラレコを証拠として提出するかどうか考えてみてください。
ドラレコ録音機能の仕組み
ドライブレコーダーと言えば映像を記録する機器というイメージが強いかと思いますが、音声も同時に記録する機能を備えています。まずは、ドラレコ録音機能の基本を確認しましょう。
ドラレコは常に録音している?
ドラレコの録音機能は手動でオン / オフを設定できる機種が多く、常に起動している訳ではありません。
しかし基本的に録音機能は映像と連動しており、常時録画をしている場合は音声も同時に録音されています。事故などが発生したときに自動でイベント録画に切り替わるのですが、その際に録音もスタートするようになっているのです。
どんな音・声が録音される?
事故が発生した際、その数十秒間の音声・映像はドラレコによって自動的に保存されます。
車内は密閉空間で、1人または親しい人といるケースが多いですから、気を抜いているもの。他人に聞かれるのは恥ずかしい内容が含まれているかもしれません。
- 独り言での愚痴・不満
- 大声で歌っていた
- 同乗者との言い争い、ケンカ
- 家族・恋人とのプライベートな会話
しかし会話以外にも、以下のような音が記録されている可能性も考えられます。
- ウインカーの音
- ハザードランプの点灯
- クラクション
- ブレーキ音
- 衝突音
- エンジン音
- 車の通りかかる音(風切り音)
音声データを警察や保険会社に確認されるのは少しためらうかもしれませんが、事故解析に重要な手がかりとなりますので、ぜひ提出してください。
社用車・レンタカーでも録音されている?
社用車やレンタカーを運転している際に事故に巻き込まれた方もいるかもしれません。
どちらもドライブレコーダーが設置されているケースが多いですが、利用前に知らされているはずです。車内の音声や映像を勝手に録音・録画するとプライバシーの侵害にあたる可能性があるためです。
会社の車を使っている、または車を借りている場合、事業者やレンタル会社にドラレコの録音・映像データを提出したい旨を伝えましょう。
ドラレコの音声は証拠になる?
ドライブレコーダーによって録音された音声は、事故の真相を解明する上で重要な役割を果たします。運転者や同乗者の会話だけでなく、外の音も正確に記録されるためです。
ここからは「ドラレコの音声データは証拠として有力か」について説明します。
音声データも裁判に提出できる
ドライブレコーダーの映像が裁判で強力な証拠とされることはよく知られていますが、音声データも同様に重要です。
裁判では、運転者の供述や目撃者の証言よりも、ドラレコに記録された音声のような客観的な証拠が重視されます。音声データは事故の瞬間の会話や周囲の音を捉えており、事故の原因や当事者の状態を明らかにするのに役立つからです。
つまり、ドラレコの音声データは、裁判において運転者の言葉や他の証言よりも信頼される可能性が高いのです。
特に、自分にまったく過失がない場合はドラレコを使わない手はありません。以下の記事もあわせてご覧ください。
音声と映像を合わせて状況を把握
ドラレコの音声は映像と同時に分析することで、事故の状況をより鮮明に把握しやすくなります。
例えば、ウインカーやクラクションが鳴ったタイミングなどから、事故がどのように起こったのか、音声と映像のデータを照らし合わせて、より真相に近づくことができます。
以下の記事ではドラレコの映像を保存する手順を解説していますので、あわせてご覧ください。
ノイズがあっても専門業者なら解析可能
最新のドラレコは高性能のマイクを使っており、ノイズを抑えて車内外の音をクリアに録音します。
しかし、エアコンの音やラジオの音などが混じってしまい、重要な音声が聞き取りにくい場合もあります。このような時に役立つのが、ドラレコの音声や映像を解析する業者です。
専門知識を持つプロなら、特別なソフトウェアを用いてデータを解析し、必要な音だけを選り分けることも可能です。事故の具体的な状況を明らかにし、証拠としての価値を高められるのです。
解析費用について心配するかもしれませんが、多くの自動車保険では弁護士費用特約が付帯されています。特約を利用すれば、ほとんどの場合、自己負担なしで専門家へ依頼できます。
もし音声が聞き取りにくい場合は、弁護士を通じて専門業者に相談することをおすすめします。
以下の記事では、ドラレコ解析の専門家を利用するメリットを詳しく説明しています。「頼むのは、なんだか面倒くさそうだな…」と思った方も、一度読んでみてはいかがでしょうか。
まとめ
今回は、ドライブレコーダーの音声録音機能の仕組みや、証拠としての価値を解説しました。
「録音された音声を聞かれるのが恥ずかしい…」と感じるかもしれませんが、事故の原因を明らかにし、適切な補償を受けるためにぜひ提出してください。
ドライブレコーダーの音声があまり鮮明でない場合も、専門的な技術を持つプロに依頼すると解析してくれます。
東海DCはドラレコの音声・映像ともに解析が可能です。示談交渉や裁判で有利に進めたいなら、弁護士を通じて私たちに相談してください。